【札幌市北区】札幌の北端にある、川と川と川と川の合流地点のメモ。
今年の7月に、支笏湖やダムなどをガイドして以来、水資源の利用や治水という分野が、ガイドとして新しい興味の分野になりつつあります。
今年の8月、私用(ブリティッシュブラスバンド活動)で、たまたまガトーキングダムで開催されたいつもお世話になっているヘレン・ヴァーレイさん(テナーホーン、グライムソープ・コリエリーバンド)と稲葉さん(バリトン、元フォーデンスバンド)のコンサートを聴きに行く時に通過した、発寒川、創成川、伏籠川がまとまって茨戸川に流れ込む風景の魅力に釘づけになりました。
茨戸中央橋の手前から。
右から伏籠川、創成川、発寒川。
それが写真奥の水道橋、そして茨戸橋の向こうで茨戸川に流れ込んでいます。
この河川は4本ともに治水としても使われて来た経歴があります。
ちょっとだけ紐解いて見ましょう。
創成川
創成川はご存知、200年ほど前に切り替わった豊平川本来のかつての流れの一部使い、鴨鴨川を経て北に流れる、1866年から順次作られた人工の河川です。
治水だけではなく、過去には銭函からの物資を山口運河経由で現在の創成イーストまで荷物の運搬にも使われていました。
更にはこの創成川沿いに2つの酒蔵、現在の日本酒造(千歳鶴など)と、栗山に移転した小林酒造があったのも、豊富な水環境や伏流水が関係していました。
現在もここ、茨戸川などとの合流地点まで、幌平橋付近で別れた源流?の豊平川からのフレッシュな水を運んできてくれます。
発寒川
現在の発寒川のもともとの上流部は、現在の琴似発寒川です。かなりの暴れ川だったので、1886-87年に新川を掘削した時、そこから下流部分だけを発寒川として残したのです。
現在は安春川の流れなどがここに流れ込んでいますが、安春川の水源は創成川水処理プラザ。つまり高度処理水を使っています。
現在は東京の渋谷川など、この高度処理水を使った水環境の整備が日本のあちこちで進んでおり、ここはまさに先進事例のひとつ!
また発寒川沿いには、冬の間の除雪した雪を堆積するスポットが点在しています。この雪解け水もまた川辺の水環境を維持しつつ川へと流れていきます。治水と除雪の関係は不可分ですね。
伏籠川
そして伏籠川こそ、1800年頃までの豊平川本流です。明治初期の頃は現在の東4丁目ラインあたりより北の部分はまだ残っていて北上していました。それより上流にあたる南の痕跡は創成川に吸収されました。
豊平川本流を現在のルートに譲った後も、かなり水量もあり、時には暴れ川と化していたと言います。
しかしながら創成川の掘削のおかげで、古い本流である伏籠川の水をうまくコントロールすることができ、結果旧札幌村などの農業用水として大いに活用されたそうです。
現在はこちらも、伏古水再生プラザからの高度処理水を利用しています。
茨戸川
厳密に言いますと、創成川と発寒川は伏籠川に合流して、3本一緒になり、合流点から300mほど下流の茨戸橋付近で、茨戸川に合流します。
この茨戸川は、かつて石狩川本流をコントロールするために1918-31年にショートカットした時に切り離された流れの一部です。複数箇所からうまく水の流れをコントロールして、現在は長い池のように穏やかですね。
穏やかであれば美しいこのエリア、いつか札幌北端の水郷として、観光資源になりませんかね!
★4河川の合流地点★
場所: 茨戸中央橋(札幌市北区東茨戸1-1と2-1.2-2の間)から、茨戸橋(札幌市北区東茨戸2-1と石狩市花川東の間)