NY原油9日:中国株・商品の反発で、原油も反発
NYMEX原油8月限 前日比1.13ドル高
始値 51.83ドル
高値 53.54ドル
安値 51.48ドル
終値 52.78ドル
中国株式・商品市況の急反発を受けて、原油相場も反発した。
50ドルの節目割れ攻略を打診する展開になっていたが、本日は中国株の急反発を受けて、非鉄金属相場などと同様に原油相場も安値是正の動きが優勢になった。中国当局が相次いで市況対策を打ち出す中、本日は上海株価指数が2009年以来となる大幅上昇を記録するなど、急激な切り返しを見せている。これで中国発のリスクオフの動きが収束に向かうのかは不透明感も強いが、とりあえずは株価急落に一定のブレーキが掛かったのは事実であり、上海商品市況の反発と連動して、原油相場も下げ一服となっている。
また、イラン核協議の進展が遅れがちになっていることもポジティブ。交渉期限は従来の7日から10日まで延長されているが、オバマ米大統領が最終合意成立の可能性は「五分五分下」との厳しい見方を示したこともあり、核交渉に対する期待値が切り下がっている。詳細は不明だが、イランが核開発研究に絡んだ軍事分野での情報開示を拒んでいるといった報告が聞かれ、イラン産原油の市場復帰には更に時間が要求される可能性がある。
もっとも、原油相場の急落は必ずしも中国要因に基づくものではなく、石油輸出国機構(OPEC)の大規模増産による需給緩和とドル高という基本フレームが崩れない限りは、反発力は限定される見通し。特に、ギリシャ危機を受けてドルの底固さが再確認される中、ドル建て原油相場に対する逆風は強まり易い。ここにきてシェールオイルのリグ稼動数増加報告も聞かれ始めており、コアレンジを40ドル台に切り下げる圧力は継続する見通し。