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強烈寒波のあと、来週は南岸低気圧で関東も雪に?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雪の東京都心(写真:イメージマート)

今季最強クラスの寒波襲来へ

上空1500メートル付近の寒気の予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の寒気の予想(ウェザーマップ)

きょう4日(金)は暦の上で春を迎える立春です。

ところが春は名のみで、むしろ立春寒波の影響で、厳しい寒さとなる年も多々あるのが実情です。そして今年も然り、大陸から西日本周りでじわりじわりと強い寒気が南下し始めています。

この冬は昨年の師走から強い寒気が何度も日本列島へ南下していますが、なかでも西日本や東日本にとって強烈だったのが年末寒波と年越し寒波になるでしょう。

上空1500メートル付近の下層寒気でみてみると、年末寒波、年越し寒波ともに平年より10度近くも低い-12度ラインが西日本や東日本に南下しており、大雪や厳寒、極寒に見舞われました。

そして今回、立春寒波がピークとなる6日(日)午前9時の予想をみると、同じように-12度ラインが西日本や東日本に南下しており、週末にかけては、今季最強クラスの寒波襲来といっても過言ではない状態となりそうです。

北陸はドカ雪に警戒、名古屋周辺も積雪に注意

72時間の予想降雪量(ウェザーマップ)
72時間の予想降雪量(ウェザーマップ)

週末は強烈寒波の影響で、全国どこでも、厳寒、極寒状態となりそうで、日本海側を中心に大雪となるでしょう。

同じような強烈寒波でも、ひと月前よりは日本海の海水温が2度から3度くらい下がっているため、その分海面から蒸発する水蒸気量が抑えられることになりますが、それでも活発な雪雲が流れ込みやすい北陸地方を中心に大雪となり、山沿いを中心に、100センチ以上のドカ雪となるおそれがあります。

また雪雲が流れ込む東海地方の名古屋周辺でも降雪が予想され、雪が積もるおそれがあるため、交通障害などに注意が必要です。

強烈寒波のあとは南岸低気圧で関東も雪に?

降水域や上空1500メートル付近の寒気などの予想(ウェザーマップ)
降水域や上空1500メートル付近の寒気などの予想(ウェザーマップ)

週明けになると強烈寒波の峠は越えますが、今度は冬季の関東などに雨や雪をもたらす南岸低気圧が通過する見込みとなっています。

上図のように、9日(水)から10日(木)にかけて、西日本から東日本の南海上を通過する見込みで、関東は10日(木)を中心に、降水域がかかる予想です。

雨か雪かのある程度の目安となる上空1500メートル付近の寒気は0度から-3度くらいと予想されており、これは内陸を中心に、平野部でも雪となる可能性がある温度場です。

条件次第では大雪も?

低気圧や降水域の予想(ウェザーマップ)
低気圧や降水域の予想(ウェザーマップ)

来週半ばの南岸低気圧の予想は、諸外国を含む種々の計算でも、その多くが通過を予想しており、比較的、確からしい状態となっていますが、まだ通過する位置や発達の程度にはかなりのばらつきがある状態です。

上図は南岸低気圧に伴うアンサンブル予報のごく一部の抜粋ですが、左図のようにほとんど発達しないまま南の海上を進む可能性がある一方、右図のように発達しながら関東南岸へ接近し、降水量がかなり多くなる予想も見受けられます。

ちなみに諸外国の予想では、比較的発達しながら通過し、降水量もまとまる計算が多くなっており、下層寒気の強まり次第では、平野部でも大雪になりかねないような予想も見受けられます。

以上のように、南岸低気圧が通過する予想はかなり確からしいものの、その振る舞いはまだまだブレ幅が大きな状態ですから、今後も最新情報に注意していただきたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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