松山英樹はC・スミスと同組。マスターズ予選ラウンドの組み合わせから感じ取れるもの
マスターズ(4月6日~9日)の予選2日間の組み合わせが発表された。
今年はPGAツアー選手とリブゴルフ選手の「誰と誰がどんな組み合わせになるか」が、開幕前から大きな注目を集めていたが、いざ発表されたペアリングからは、すべての選手に最高のゴルフを披露してほしいと願うオーガスタ・ナショナルの最大限の気遣いが、ひしひしと伝わってくる。
ペアリングを眺めてみると、個性や主張が強いPGAツアー選手と、やはり個性や主張が強いリブゴルフ選手が同組になっている組み合わせは、1つもないことに気付く。
主だったペアリングをスタート時間が早いほうから見ていくと、リブゴルフへ移籍したマスターズ・チャンピオンのセルジオ・ガルシアは、日本の比嘉一貴、PGAツアーのキース・ミッチェルと同組(午前9時12分)。
やはりリブゴルフ選手でマスターズ・チャンピオンのパトリック・リード(午前9時24分)の組にも、バッバ・ワトソン(午前9時48分)の組にも、リブゴルフを強硬に批判したり敵視したりというタイプの選手は見当たらない。
マスターズ5勝のタイガー・ウッズの組には、リブゴルフ選手は一人もおらず、PGAツアーの昨今のスター選手であるビクトル・ホブラン、ザンダー・シャウフェレと同組(午前10:18)だ。
そして、2021年マスターズ覇者であり、日本のエースである松山英樹は、リブゴルフに移籍したキャメロン・スミス、韓国のイム・ソンジェと同組(午前10:54)。
リブゴルフの代表格であり、マスターズ3勝のフィル・ミケルソンは、PGAツアーのトム・ホージ、キム・シウと同組(11時24分)。
2020年大会覇者でリブゴルフ選手のダスティン・ジョンソンは、PGAツアーのコーリー・コナーズ、ジャスティン・ローズと同組(午後1時12分)。
そして、ディフェンディング・チャンピオンのスコッティ・シェフラーは、同じPGAツアー選手のマックス・ホーマ、それにマスターズの慣例通り、全米アマ覇者のサム・ベネットと午後1時36分の遅いスタートとなる。
そのすぐ後ろがPGAツアー選手たちを率いるローリー・マキロイの組。同組になったのはPGAツアーの期待の新鋭トム・キムと好調のサム・バーンズ(午後1時48分)だ。
マキロイは優勝すれば、生涯グランドスラム達成と世界ランキング1位への返り咲きがかかっている状況だが、リブゴルフ選手が1人もおらず、今年のオーガスタ・ナショナルで仲良く練習ラウンドをともに回ったキムやツアー仲間のバーンズが同組という環境は、マキロイにとっては理想的と言っていい。
そして、マキロイの組のみならず、ウッズの組にもシェフラーの組にも、リブゴルフ側のミケルソンやジョンソンといったマスターズ・チャンピオンらの組にも、ツアー間の対立や確執に惑わされることなくゴルフに集中してほしいというオーガスタ・ナショナルの願いが見て取れる。
その願いは、多くのゴルフファンの願いでもあり、その願いが通じて、素晴らしいゴルフが披露されることを期待したい。