子どもに暴力シーンは見せない方が良い?暴力表現が子どもに与える影響とその向き合い方を保育士が解説
こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、子育てや育児に関する情報の発信を行っている保育士です。
今回は頂いたご質問はこちら。
Q:戦隊モノの番組は、殴ったり蹴ったりと暴力的な表現が気になってしまってこれまで子どもに見せていませんでした。しかし、最近になって保育園で知ったようで「見たい!」と迫られて困っています。暴力的な表現について子どもへの悪影響はないでしょうか?
皆さんは子どもに見せるテレビ番組や動画配信サービスについて、何か気を付けていることはありますか?
子ども向けのものと言っても、パンチやキックといった暴力的な表現を少なからず目にする機会はあると思います。
こういったものについて、子どもたちへの影響はあるのでしょうか。
また、そういったものとはどのようにして向き合っていくべきなのでしょうか。
今回はこちらの解決方法についてご紹介していきたいと思います。
これで解決!
結論から言うと、そういった暴力的な表現が子どもたちの生活になんらかの形で影響を与えることは間違いないと思います。
それなら、そういった番組は見せてはいけないのかと言うとそうではありません。
大切なのは区切りをつけることです。
例えば、遊びの中で戦いごっこを楽しむことと、日常のトラブルの中で手が出てしまうこととは全く意味が違いますよね。
それと同じように、テレビ番組を見て楽しむことと、現実世界で不適切な行動に走ってしまうこととは全く違います。
また、子どもが大きくなるにつれて、大人が子どもへの情報を制限することは難しくなっていくものです。
そのため、見せる・見せないという選択よりも、それらを子どもがどう受け止めて、どうやって区切りをつけながら楽しむのかということを考えた方が良いのではないでしょうか。
もし区切りが付いていないと感じた場合には、「あれはテレビだからね」「本当にはやったらいけないことだよ」と教えたらそれで良いのです。
しかし、そういった楽しさを知ることで、そういったものを子どもが遊びの中に取り入れて表現することは出てくると思います。
そういった場合はその子の要求に応じて、人形同士を戦わせて遊んだり、パパと2人で戦いごっこを楽しんだりと、どこかでそれを発散できる環境を作ってあげることが大切でしょう。
区切りをつけることの大切さ
区切りをつけるというのは、言い換えれば気持ちを切り替えるということです。
つまり、オンとオフを自分の意思でしっかりと切り替えることができるということ。
それでは、気持ちの切り替えはどうやって育んでいけば良いのでしょうか。
それは、子どもと交わした約束は大人も守ることです。
例えば、夜寝る前。
電気を消して布団に横になって、子どもと話している場面を想像してみてください。
会話もそこそこに、そろそろ寝る時間になったとしましょう。
「もう寝る時間だから今からは静かにしようね。もう何も話さないよ?」と子どもと約束したら、それ以降は子どもが何を話しても応える必要はありません。
このような約束を含むやり取りを繰り返していく中で、自然と気持ちの切り替えが身に付いていくものなのです。
ところが、約束をした後に子どもの言葉に反応してしまうと「なんだ、やっぱりまだ話してくれるんじゃないか」と気持ちの切り替えができなくなってしまいます。
そのため、子どもとの約束は大人も守るということを意識して子どもたちと関わっていくと良いでしょう。
一方で、最近は気持ちの切り替えができる子が本当に少なく、そういったことが要因で昨今の保育現場や学校が崩壊状態になっているケースも非常に多いと感じます。
それは、発達障害の一部には気持ちの切り替えや感情のコントロールが苦手なものがあるからです。
昨今のこういった子におけるケースを見ていると、相談してから支援が受けられるまでは非常にかかってしまうことが少なくありません。
結局、就学までに十分な支援を受けられなかったり、子どもに合わせた選択ができなかったりするケースも多く見受けられます。
そのため、4〜5歳になってもそういった姿が多く、心配になってしまった場合には早めに児童精神科や小児神経科などに相談してみても良いと思います。
詳しくは関連記事からご覧ください。
いかがですか?
子どもが大きくなるにつれて、悪影響を及ぼすものを目にする機会は自然と増えていくもの。
そういったものを見せないようにするよりも、そういったものとどうやって向き合っていくかを伝えることが大切なのではないでしょうか。
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