NY原油18日:反発、在庫増で40ドル割れも目標達成感
NYMEX原油12月限 前日比0.08ドル高
始値 41.11ドル
高値 41.55ドル
安値 39.91ドル
終値 40.75ドル
米国内の在庫積み増し圧力を背景に40ドル台を割り込むも、短期的な目標達成感からショートカバー(買い戻し)が膨らみ、小反発した。
アジア・欧州タイムは41.00~41.50ドルのレンジでやや底固い展開になったが、ニューヨークタイム入り後は米原油在庫の増加トレンドが維持されたことが嫌気され、急落した。安値は39.91ドルに達しており、8月27日以来の40ドル割れになっている。ただ、これによって短期筋の当面の目標が達成された形になる中、引けにかけてはショートカバーは押し目買いが膨らみ、40.50~41.00ドル水準まで切り返している。
米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫(11月13日時点)は、前週比+25.2万バレルの4億7,728.6万バレルになった。市場予測+227万バレルには届かなかったものの、マーケットでは在庫増加トレンドが維持されていることを素直にネガティブ材料視する向きが多く、同統計を受けて売り優勢の展開になった。API発表の原油在庫が前週比-48.2万バレルとなっていたことで、EIA統計に対する期待感が抑制されていた影響もあるだろう。
もっとも、製油所稼働率は前週比+0.8%の90.3%となっており、着実な回復傾向が見受けられる。このペースであれば、年内には在庫増加トレンドにブレーキが掛かる可能性が高く、在庫増加トレンドを背景とした売り圧力に対しては一定のブレーキが掛かろう。今年は暖冬予想になっていることで例年と比較すると季節要因のインパクトは限定される見通しだが、実際に在庫減少への転換が確認されると、短期スパンでリバウンドを試すリスクが存在することは把握しておきたい。
もっとも、米原油在庫の4億8,730万バレルは前年同期の3億8,110万バレルを1億バレル以上も上回っており、需給タイト感が浮上するような状況にはない。国際需給の緩和見通しも維持されており、季節要因に基づく一時的な安値修正の動きが見られるか否かとの視点で十分だろう。ドル高トレンドも維持されやすく、基本的には原油相場は安値低迷の時間帯が続く見通し。40ドル割れから更に大きく突っ込むような状況にもなく、35~60ドルが基本レンジになるとの見通しを維持している。弱含みの展開が続きやすいものの、突っ込んだ局面では中長期スパンで打診買いを入れても問題がないだろう。目先は、40ドルの節目でどの程度のサポートが見られるのかが打診される。