女子大生を"無残な姿"に…北朝鮮「教授夫妻」の鬼畜行為
上智大学は2022年3月、女子学生と不適切な関係を持った教授を懲戒解雇した。和歌山県立医科大学は2023年8月、同様の行為を行った教授を懲戒解雇した。同じようなことは、今年4月に岡山大学でも起きた。
圧倒的に立場の強い教員が、学生と不適切な関係を持つことは、学生に不利益を押し付けかねないアカハラでありセクハラだ。ましてや、合意のない関係ならば絶対に許されることではないが、はるか昔から存在し、未だに根絶されない。
有名な話だと、作家の井伏鱒二は1921年、教授からのセクハラに耐えかねて早稲田大学中退を余儀なくされ、復学も妨害された。教授は、後に別の学生へのセクハラで辞職に追い込まれた。
北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)の大学でも同様の事件が起きた。女子学生が、教授と不適切な関係を持ったとのことで、退学の瀬戸際に立たされている。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
先月初め、新義州(シニジュ)農業大学の女子学生Aさんが、寄宿舎を訪ねてきたB教授の妻のCさんから暴行を受ける事件が起きた。AさんとB教授が不適切な関係を持ったことを知ったからだ。
C夫人は、Aさんが見るも無惨な姿になるまで殴り続けた上に、その足で大学内の朝鮮労働党委員会に駆け込み、Aさんの退学を求めた。ただ、1カ月経っても未だに結論は下されていない。議論が紛糾しているからだ。
(参考記事:女子大生40人が犠牲…北朝鮮幹部「鬼畜行為」で見せしめ)
「大学内で非社会主義行為(風紀のびん乱)を行ったのだから、見せしめにして、警戒心を高めるべきだ」
事件が表沙汰になり、朝鮮労働党の上級機関に知られることとなれば、B教授は厳しい批判を受ける可能性がある。それと同時に、大学の対外的イメージが失墜するとの懸念も示された。
しかし委員会内では、誰も被害者であるAさんのことに触れなかったようだ。
暴行されたAさんは、顔の傷が治らず、家に引きこもっている。不適切な関係は、どうやらB教授の強要によるものだっだ。
(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為)
同級生はAさんに、「理由はどうあれ、人をこんなことになるまで殴るのは犯罪」だとして、信訴(告訴)するように勧めた。
刑法を持ち出して、教授を処罰すべきだと主張する人もいた。同法320条は、「服従関係にある女性に強いて成功した者は労働鍛錬刑(短期の懲役刑)に処す」と定めている。
しかしAさんは、どんな仕返しを受けるかわからないと恐れ、訴え出ることができずにいる。
法的根拠のある信訴制度を使って、加害者を訴える人も中にはいるが、コネ社会である北朝鮮では、加害者を上回る強力なコネを持っていなければ訴えをもみ消されたり、逆襲されたりする。Aさんには、頼れるだけのコネがないのだろう。
同級生たちは、「力がなければ生きていけない世の中」だと嘆いている。そして、「カネと力を持つ少数の人たちが社会の無秩序を煽る」として、「法は遠く、拳は近い」と述べた。法律では解決が難しいので、暴力で解決しようとするという意味だ。
もしAさんの訴えが聞き入れられ、B教授とC夫人が処罰されたとしても、Aさんが大学に残るのは難しいだろう。たとえ、Aさんに全く落ち度がなかったとしても、「ふしだらな女だからそんな目に遭ったのだ」などという、ヴィクティム・ブレーミング(被害者非難)をする風潮があるからだ。