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【名古屋市】災害時に役に立つマンホールの知識を学ぶ。名古屋市のマンホール蓋は受験御守りとしても人気!

hanachiroru地域情報発信ライター(名古屋市)

日頃何気なく道を歩いていると、至る所にマンホールがありますが、多くの方が普段の生活では、あまりマンホール自体に意識を向けていないのではないでしょうか。

今回の記事ではマンホールに焦点を充て、その役割と魅力についてご紹介していきます。

マンホールとは?

マンホールは何のためにあるのでしょうか?

マンホールの役割について説明します。マンホールは英語の「man(人)」と「hole(穴)」を組み合わせた言葉です。直訳すると「人孔(じんこう)」という意味で、地下に埋められている設備を点検・管理するために人が出入りする穴のことです。

マンホールは、水道管や汚水用の配管、火災発生時の貯水槽、消火用の水道管、ガスの配管などそれぞれ用途別に分かれていて、必要に応じて点検・管理ができるようになっています。

名古屋市「水の歴史資料館」の野外展示
名古屋市「水の歴史資料館」の野外展示

マンホールの蓋(ふた)はなぜ丸い?

マンホールの蓋といえば、丸い形が頭に浮かびますが、これにはいくつか理由があります。もし蓋が四角いと、蓋を開けたとき蓋が中へ落下し、作業している人を直撃する恐れがあります。もともとマンホールの穴は蓋よりも少し小さくしてあるので、丸い形なら穴へ落ちることを防げます。ふたが丸い理由は他にもあります。四角いとへりが欠けてしまうのに対し、丸だと丈夫です。また、転がして運べるなど、多くの利点もあるそうです。

現在、名古屋市で見られるマンホール蓋の多くは、平成9年から設置されているアメンボがトレードマークのマンホール蓋です。

どこかでご覧になったことがあるのではないでしょうか。

車両の大型化への対応や耐久性の向上を図るため道路構造令などが改正され、これを受けてマンホール蓋も25トンの重量に耐えられるような規格に変更されたそうです。

規格の変更にあわせて、下水道をお客さまにアピールするため名古屋市上下水道局のイメージキャラクターであるアメンボのデザインに変更したという経緯があります。

名古屋市の歴代のマンホール蓋の実物とその背景は「水の歴史資料館」でご覧になることができます。

マンホールは災害時、トイレとして役に立つ!

こちらは、「水の歴史資料館」に展示されている、災害用マンホール蓋です。

平成15年から採用されたもので、避難所などの近くの道路上に設置しており、震災発生時にこのマンホールの位置に下水道直結式の仮設トイレを設置することができます。

名古屋市ではマンホールトイレだけでなく、地震などの災害時の水確保のために様々な取り組みをしています。

災害が起こった時に水を確保できる施設やトイレがどこにあるのかなど名古屋市上下水道局のホームページで確認しておくとよいでしょう。

地下式給水栓は、災害時に断水が発生した場合に、地域の人々が自ら操作して飲料水が確保できる施設です。
言葉の通り地下に設置されており、マンホールの蓋に地下式給水栓との記載があります。

名古屋市では市内すべての公立小中学校に地下式給水栓が設置されているため、378箇所で利用することができます。お近くの小中学校の場所の把握しておくとよいでしょう。

「地下式給水栓の操作方法」について、YouTube動画でも発信がされています。

地下式給水栓を利用するためには蓋を開けるなど、利用するための器具類が必要となります。利用するために必要な器具類は、各小中学校の防災倉庫などに保管されています。

いざというときのために、事前に動画などで確認をしておくといよいでしょう。

デザインマンホールで地域の魅力をPR

百周年記念デザインマンホール
百周年記念デザインマンホール

マンホールは、点検や災害時に役立つ非常に重要な役割がありますが、その他、最近では地域をPRするデザインマンホールにも注目が集まっています。

日本だけでなく、世界の人々にも美しい日本のマンホールの蓋は大変人気があります。

名古屋市のデザインマンホール蓋には平成元年に開催された世界デザイン博覧会にあわせて設置したものや、平成24年に下水道供用開始100周年を記念して設置したデザイン(上記写真)のものもあります。

「百周年記念デザインマンホール」のデザインのモチーフとなっているのは名古屋市の中心部を流れる堀川に架かる「納屋橋」です。
このデザインマンホール蓋はカラー版が市内に12箇所、彩色していないものが100箇所ほど設置されているそうです。

ご興味がある方は、探してみてください。

日本のマンホールは、元々は機能性を重視した単純なデザインが主流でしたが、近年ではデザインマンホールも増えてきました。これは、観光客を惹きつけるためや地域の特性をアピールするために、地方自治体が積極的に取り入れるようになったからです。

下水道の仕組みや役割について知ることができる「メタウォーター下水道科学館なごや」では、全国の個性的で美しいマンホールが展示されています。

名古屋市のお近くの愛知県岡崎市のマンホール蓋のひとつは、岡崎城と桜と花火が描かれていて、とても繊細美しいデザインです。

昨年令和5年には中部地方で初開催となる「第11回マンホールサミット in 岡崎」が開催され、10月21、22の2日間で1万3000人(主催者発表)が来場したそうです。

マンホールサミットは、全国各地から地域色の溢れるデザインマンホール蓋が集まるとあって、多くのファンを魅了しています。マンホール蓋の魅力を発信するとともに、下水道の機能や役割への理解促進を図ることを目的としています。

「水の歴史資料館」内展示の
「水の歴史資料館」内展示の

名古屋市内でも、名古屋文化を象徴するデザインマンホールが設置されています。

デザインマンホールは単なる下水道の蓋ではなく、アート作品としての側面も持っており、名古屋をPRする役割も担っています。

名古屋の魅力をPRすることを目的とした公募デザインのマンホールは、味噌煮込みうどん、オアシス21、大須商店街など、名古屋と言えばのデザインとなっています。

メタウォーター下水道科学館なごや」周辺には公募デザインのマンホールが10個が設置されており、散策しながら探すことができます。

同施設で、公募デザイン下水道マンホールの設置マップをいただくことができます.

実際に歩いて探してきましたので、いくつかをご紹介します。

マンホールが設置されている「城北橋」付近は、景色もよく散策にも最適なエリアです。

名古屋と言えば、多くの方がご存じの名古屋城と金シャチです。

昇り龍・降り龍を意識したデザインで名古屋の繁栄と謙虚に愛される様が表現されています。しゃちほこの頭を日々どっちに見るか、その人の見方で楽しめる作品です。

名古屋城の天守閣をバックに東山動物園の人気No.1「ゴリラ」・No.2「コアラ」、名古屋港水族館のシャチ、名古屋テレビ塔などを楽しくデザイン化したものです。

天守閣までデザインにさりげなく入れてしまうセンスの良さを感じます。

年間100種類以上の野鳥が飛来する藤前干潟を描かれています。その美しい環境をこれからも保全していきたいという思いを込めたそうです。

この美しいデザインされた方が当時中学生だったということにも大変驚きました。

マンホール缶バッチで受験生を応援!

名古屋市の「メタウォーター下水道科学館なごや」と「水の歴史資料館」では、受験生応援企画として「合格祈願」のマンホール缶バッチを配布しています。

合格に向けて勉強をがんばっていらっしゃる受験生の皆様が希望する学校に合格できるように各施設の職員さんがひとつずつ心を込めて作成しています。

配布期間:令和6年11月1日(金曜日)から令和7年3月30日(日曜日)

※開館時間・休館日等は、下記施設情報にてご確認ください。

メタウォーター下水道科学館なごや
住所:名古屋市北区名城一丁目3-3
開館時間:9時30分から16時30分
休館日:月曜日(休日の場合は直後の平日)
下水道科学館ウェブサイトはこちら(外部リンク)

水の歴史資料館
住所:名古屋市千種区月ケ丘1丁目1-44
開館時間:9時30分から16時30分
休館日:月曜日(休日の場合は直後の平日)
水の歴史資料館ウェブサイトはこちら

上下水道の大切さと災害時に少しでも役に立つようにこの記事を書かせていただきました。最後までお読みいただきありがとうございました。

地域情報発信ライター(名古屋市)

生まれも育ちも名古屋で、ちょっとメキシコ暮らし、現在は、名古屋暮らしのWebライター。美味しいもの、きれいなもの、楽しいことを発信していきます。 社会福祉学科卒業し、生活相談員としてデイサービスで働いています。毎日おばあちゃまたちとほっこりした日々を送っています。趣味はパン作り、レカンフラワー(ドライフラワー)の作品作りです。 日々の中でお得なものを見つけると心躍ります。見つけた小さな幸せを皆様に共有できればと記事を書いています。

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