能登豪雨 「涙が出る」「地震の時よりひどい」背丈よりもずっと高い水位 今すぐ必要な支援を
能登豪雨の発生から72時間以上が経過しました。
きょう25日、石川県輪島市町野町の曽々木海岸の岩場で1人が発見され死亡を確認、これで大雨による死者は計10人となりました。
そうした中、8bitNewsの三島知幸が輪島市中心部に入りました。
輪島の皆さんは今、何を求めてるのか。
今回は、三島のルポをお届けします。
「地震を乗り越え、10月から仕事にかかるかなと思っていたら水害が来て、工場の機械が全部ひっくり帰ってしもうて。もう再起不能になってしもうた」
輪島市役所周辺に住む升田政幸さん(78)は、地震の後やっとの思いで身の回りを立て直し、10月からパン屋さんを始める予定だった。
「再生支援が欲しい」
升田さんは、涙ながらにそう口にした。
輪島市役所近くの住宅街では、足の踏み場もないほどの土砂が流れ込んでいた。
私が長靴で足を踏み入れると泥がまとわりつき、かなり力を入れなければ足が抜けなかった。
周囲の家屋を覗き込むとそこにも大量の土砂が。すぐ近くでは消防や救急のものと思われるサイレンが絶えず鳴り続けていた。
「ここに(ブロック塀が)あるでしょう。ここから上に、20cmだったかな」
洪水時の水位を生田目さん(81)が教えてくれた。生田目さんが指差したブロック塀は我々の身長よりも高い。
私は言葉を失った。
生田目さんもまた、居酒屋をオープンしたばかりだった。お店がある一階部分は完全に水没。かなりの重量があるであろう業務用冷蔵庫がひっくり返っていた。水の力がとても強いものであったことを感じさせる。
「道路の泥が渇いちゃったら無理だ。どうにもなんないでしょ。」
「どういう片付け方をしたらいいか。床上までかかっちゃってるので。とりあえず泥を掻き出してるんですけど。その後どうすればいいかわからない。」
住宅街に住む二井さんは片付けの方法について情報が欲しいという。
当然だ。普通に過ごしていて水害の後片付けの方法に精通することは中々難しい。
「電気。とにかく電気が欲しい。電気がないと何もできない。」
輪島市門前町浦上の公民館の館長はそう話す。
門前町の浦上公民館そばの仮設住宅エリアでは、電気と水が止まっていた。
周囲には流木が。ここにも水が押し寄せたことがわかる。
「ここから寒くなってくる。それを先取りして、防寒着などが必要かもしれないと思っています。」
地震の発災直後から支援に入り続けている災害NGO結の鈴木さんは、秋から冬にかけてのことを心配していた。私が現地へ入った日で夜の気温は15度。半袖では寒さを感じた。
今すぐ、支援を必要としている人がいる。