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阪神タイガース 1年目選手を対象に恒例の新人研修会

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
2年目も、ことしと同じく「シーズン中は禁酒」で臨む覚悟の岩貞投手です。

きのう17日、西宮市内のホテルで阪神タイガースの新人研修会が行われました。新人といっても、先日入団発表を済ませたホヤホヤの5人ではなく、1年目のシーズンを終えたばかりの選手です。ドラフト指名順に岩貞祐太投手、横田慎太郎選手、陽川尚将選手、梅野隆太郎選手、山本翔也投手、岩崎優投手と、昨年のこの時期は台湾ウインターリーグで不参加だった2年目の緒方凌介選手を含む計7人が、14時から約3時間半の研修を受けています。

内容は例年通りで、まず南球団社長の訓辞があり、そのあと(順不動で)球団広報から『マスコミ対応など』、営業からは『ファンサービス、肖像権について』、警察の方が『安全運転など』の話、それに昨年から始まったアサヒビールの方による『アルコールについて』と“講義”が続きました。また今回は香田ファーム新投手コーチが、自身の経験談をまじえて『オフの過ごし方』を説いてくださったそうです。

17時半すぎに研修会は終了し、引き続き選手たちは食事会場へ移動。休憩時間を利用して岩貞投手と梅野選手が代表で囲み取材に応じてくれました。そのコメントをご紹介します。余談ですが、2人とも同じスーツに同じネクタイ。おそろい?と思ったら…今朝の新聞を見るとみんな同じ。支給されている、いわゆるチームユニホームだったんですね(笑)。

岩貞投手は「2年目も禁酒の誓い」

一番印象に残ったのはどんなことですか?「お酒の話です。失敗する可能性もあると。程よい量を飲むようにと言われました」。大学時代は飲んでいたほう?「学生の時は、ちょっと飲みすぎることもあったけど、プロに入ってケガをしてからは、ずっと禁酒です。飲んだのはシーズンが終わってから。シーズン中は摂生して、自分で体調管理していました」。そうだったんですね。来年は?「シーズンに入ったら、また止めたい」。つらくない?「最初はつらいですけど関係ないです。野球のためなので」。禁酒したメリットは?「少なからずあればいいかなと思います」

その他には「球団のお金がどういうふうに回っているか、という話もありましたね。ファンの皆さんのことを第一に考えていかなくてはいけないと実感した。まずは、ファンサービスをやって喜ばれるような選手にならないと。実際そういう機会があれば積極的にやっていきたいです」と話していました。

なお南社長の訓辞については「深い話でしたね。口に出さず、自分の中で大切にしていきたい」とのことですが、あえて教えてもらったところ「辞める時に後悔しないように」という言葉があったみたいですよ。そのためには岩貞投手は2年目の来シーズン、1軍でフル回転しないといけませんね。オフにおいしいお酒を飲めるように!

安眠と安全第一 梅野選手

印象に残ったのは、まず香田コーチの話だったと言います。「オフの過ごし方についてですね。オフが初めてなので、香田コーチが自分の経験を話してくださいました。どれだけオフが大事かや、お金の使い方についても。またシーズン中にできないことをオフにやるという話で、選手は食いしばることも多いので歯が大事だと。(治療に)行ける時があれば行こうと思います。寝ることも大事で、自分の枕を持った方がいいとか。そういう技術以外の、体に気を使うことを教えていただきました」

香田コーチの経験に基づく話は、やはり選手たちの気持ちに寄り添ったものだったんでしょうね。初めてのオフ、不安が多少は減ったかもしれません。寝ることの重要性について聞き、梅野選手も「睡眠は大事だと思います。マットレスは興味があって買いましたが、枕は遠征先のホテルとかで、変わって寝られないわけじゃないので。でもキャンプみたいな長い期間滞在することもあるので」と、検討してみるようです。

その他にも「車についての話。自分がやったことも会社や球団の責任になってしまう。事故を起こせば選手生命が終わるくらいの覚悟で運転しなさいと言われた」のも印象に残ったみたいです。(加害者のみならず)被害者になる可能性もあるので、できれば運転を、そして無駄な行動を控えるくらいの意識を持ってほしいという話だったとか。「気をつけたいと思いました」

最後に「ファンの方々がいて、チームには裏方さんがいて、自分はプレーできている。感謝しないといけない。プレーで伝えたり、ファンサービスもサインや握手とか継続してやっていきたい」と締めくくった梅野選手。来年も大事な試合、場面を任される“チームの要”として、より一層の飛躍を期待します。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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