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今日の大納会の東京証券取引所のゲストは吉沢亮、大阪取引所はディーン・フジオカ。東の渋沢、西の五代

久保田博幸金融アナリスト
(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 12月30日は年内の証券取引最終日であり、大納会と呼ばれる。日本取引所グループ(JPX)はこの「大納会」で俳優の吉沢亮さんを東京証券取引所に、ディーン・フジオカさんを大阪取引所に招くと発表した。昨年の大納会はコロナ禍でゲストが鐘を打つ恒例のイベントを見送っており、ゲストが鐘を打つのは2年ぶりとなる。

 この二人の組み合わせと言えば、今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢栄一を演じた吉沢さん、五代友厚を演じたフジオカさん。つまり「東の渋沢、西の五代」と呼ばれた二人である。

 明治政府は、産業発展のため株式会社制度の導入を図る一方、維新前の制度を整理するため公債などを発行。これらの公債の売買がしだいに活発になり、取引機関設立の機運が高まる。広く資本を集めて事業を起こすべきだと考えていた渋沢栄一らは東京株式取引所の設立を出願。明治11(1878)年に日本橋兜町に日本初の株式取引所を開業した(NHKのサイトより)。

 そして五代友厚は大阪の堂島米会所を復興するとともに、株式取引所条例の成立を受けて、自ら大阪証券取引所の前身である大阪株式取引所の発起人となり、その設立に尽力したのである。現在の大阪取引所の前には五代友厚の銅像が建っている。

 東京株式取引所や大阪株式取引所は明治期の経済発展に大きな役割を果たした。それぞれ大阪と東京の経済発展、つまりそれは日本の経済発展の基礎を作った人物であったといえる。そんな役を演じた二人が大納会の鐘を鳴らすというのはなかなか興味深い。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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