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観光客少なめ&源泉かけ流し!「東北の‶穴場”の温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

世間では夏休みがスタート。温泉地へ出かける人もいるだろう。一方で、「夏休みの観光地は混雑するから……」と旅行を躊躇する人も多いと思う。

そこで、比較的観光客は少ないけれど、湯の質がすぐれている穴場の温泉地を東北に絞って5カ所紹介しよう。ぜひ夏の旅の参考にしてほしい。

大鰐温泉(青森県)

温泉街を貫くように流れる平川沿いに、住宅などに混在する形で旅館や共同浴場が立ち並ぶ。特別な温泉情緒がある街ではないが、どこか実家に帰ってきたような、ほっこりさせる懐かしさがある。この地でしか食べられない大鰐温泉もやしは、ぜひ一度は味わいたい名物である。大鰐温泉までは鉄道が延びているため、車以外でもアクセスしやすいが、観光客で混雑することはほとんどない。

湯田川温泉(山形県)

田園地帯に8軒の温泉宿と2つの共同浴場が軒を連ねる小さな温泉地。源泉が豊富なことでも知られ、すべての宿が源泉かけ流し。だが、歓楽街があるわけではないので、ほとんどの観光客は温泉目当てで混雑はしない。小規模な旅館ばかりだが、リーズナブルに泊まれる宿もある。作家・藤沢周平ゆかりの温泉地で、小説を読みながら旅館に缶詰めになってみるのも楽しい。

湯田川温泉正面湯
湯田川温泉正面湯

岳温泉(福島県)

安達太良山の麓に広がる高原の温泉地。標高が高いだけあって、夏でも平地に比べてさわやか。全国的にも珍しい酸性泉で、よく温まる湯が基本的に掛け流しにされている。地獄地帯から引かれる温泉は、普段は透明だが、週に1度の頻度で美しい乳白色に変わる。源泉を引く樋を清掃して、湯の花を洗い流すことによって起こる現象だ。源泉が白く濁る「ミルキーデイ」は、各旅館の湯船だけでなく、足湯も乳白色に変わる。日帰り入浴を受け付けている旅館も多数あるので、ミルキーデイを狙って訪問してもいいだろう。

鳴子温泉郷(宮城県)

鳴子温泉郷は、鳴子を中心に東鳴子、川渡、中山平、鬼首の5つの温泉地で構成される。東北最大級の温泉郷だが、宿泊施設の数が多いため、意外に混雑を感じることはほとんどない。最もにぎやかなのは鳴子温泉で、湯の街情緒もある一方、その他の温泉地は湯治場の素朴な風情が魅力。鳴子を外して、東鳴子、川渡、中山平などに拠点を置けば、静かな時間を過ごせる。

中山平温泉しんとろの湯。ぬるぬるの湯が特徴
中山平温泉しんとろの湯。ぬるぬるの湯が特徴

木賊温泉・湯ノ花温泉(福島県)

ともに奥会津にある鄙びた温泉地。周囲は昔話に出てくるような長閑な景色が続く。2つの温泉ともに、昔ながらの共同浴場が充実しており、とくに木賊温泉の岩風呂は、温泉が湧出する川床を利用した湯船で、足元から湧き出す新鮮な湯を楽しむことができる。新潟との県境も近く、車がないとアクセスしにくいため、観光客で混雑するようなことはほぼない。

木賊温泉岩風呂
木賊温泉岩風呂

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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