避難を市町村長の「勇気」に頼っていて良いのか?
「勇気」とかいう言葉が出てきているうちは、避難勧告・指示が出せませんでした、という話はなくならない気がします。
災害の頻度を考えると、避難勧告・指示を、出し慣れている市長村長は多くありません。
その感情や経験値が、判断の的確さを左右するというのは危険なことです。
判断時に、感情や経験が、極力入り込まないようにするのが大事なのではないでしょうか。
観測値・予測値・気象庁からの情報などにより、なかば自動的に出すのも一つの方法だと思います。
ただしその場合も、データや情報から危険度を読み取る最低限の能力が、市長村長や防災担当者には必要になりますし、その能力が整わない、蓄積できないのなら、気象予報士など外部の力を活用するという考えもあるでしょう。
一方で、自治体からの避難情報が今以上に整備され、精度が上がっても、住民がそれに頼りきるのは危険です。
気象災害は、たいていの場合、ごく狭い範囲で起こります。
観測網をすり抜け、自分の家の周辺地区だけで激しい現象が起こるというのも、よくあることです。
避難勧告・指示が出ていなくても、危ない状況になることが有り得る以上、避難情報だけに責任をなすりつけているうちは、災害はなくならないというのも覚えておきたいことです。