「さくらの名所」 孝行息子が見つけた、新品種の桜が織りなす美しき春の風景【富山県入善町】
あたたかくなり、あちらこちらで桜が満開になってきました。今年も可憐に花を咲かせた、美しい春の風景を紹介したいと思います。
今回紹介する「念興寺」の桜は、2010年に新品種として発表された、二季咲きの「コシノフクカサネ(早)」です。
雲雀山 念興寺
「コシノフクカサネ」があるのは、入善町舟見の真宗大谷派「雲雀山 念興寺」です。「念興寺」は、記録が残っている1587年(天正15年)より以前に創祀された、歴史の古いお寺です。
敷地には、新品種の桜「コシノフクカサネ」が約10本植樹されています。今回は、ご住職の奥様に、「コシノフクカサネ」についての貴重なお話をうかがいました。
新品種「コシノフクカサネ(越の福かさね)」
2010年に、新品種として発表された「コシノフクカサネ」は、2011年に「富山さくらの名所」に選定されました。
「コシノフクカサネ」と呼ばれるようになるまでは、「孝行桜」と呼ばれてれていたそうです。
「孝行桜」と呼ばれた桜
昔、 ふせっている父親の「桜が観たい」という願いを叶えるため、山々を探し回った男性がいました。そうして、男性は、季節外れの「秋に咲く桜」を見つけ自宅の庭に植樹しました。いつしか人々は、”親孝行の息子が植えた桜”を「孝行桜」と呼ぶようになったということです。
山から探し出された桜は残念ながら枯れてしまったそうですが、「念興寺」に、その子孫が植樹されていたため貴重な品種を遺すことができています。
「コシノフクカサネ」は、春と秋に開花する二季咲きで、一つの木の中に一重咲きと八重咲きが混在する珍しい品種です。花の色は、咲き始めは白色が強く、しだいに紅色へと色を変えます。
最後に
「念興寺」の「コシノフクカサネ」は、春と秋、一重咲と八重咲、色の変化とグラデーションと、一本の木で色々楽しめる桜です。また、花が散り難いという嬉しい特性があります。
「孝行桜」と呼ばれた新品種の「コシノフクカサネ」を、ぜひご鑑賞ください。
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雲雀山 念興寺
住所:富山県下新川郡入善町舟見1136
電話番号:0765-78-1252