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5世帯に1世帯は過去1年間に携帯電話の買い替えを経験している

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 色鮮やかでにぎやかなスタイルの携帯電話ショップ。買い替え客でいつも満員だが

2割強の世帯で携帯電話の買い替えが

ファッション業界のように、数か月毎に新モデルが登場する携帯電話界隈。機能も日々向上し、新機種への買い替え動機を誘発させる。実際に携帯電話の買い替えは、どの位の割合で行われているのか。内閣府の消費動向調査の結果から、世帯ベースでの現状を探る。

次に示すのは総世帯、つまり全世帯における世帯単位の携帯電話買替状況。2015年は22.0%とあるので、2割強の世帯が携帯電話の買い替え(世帯構成員の誰か一人、1台の携帯電話でも可)を経験していることになる。

↑ 携帯電話買替世帯率(総世帯、世帯単位)
↑ 携帯電話買替世帯率(総世帯、世帯単位)

直近の2015年は前年2014年と比べると低め。今項目の調査開始が2014年分からのため、2年分しか経年データが取得できないことから、この下げ方が単なるぶれの範囲なのか、別の理由があるのかまでは判断が難しい。また新規購入世帯はカウントされていないことに注意。

他の耐久消費財、例えばテレビや電子レンジと比べると値が高めのように見えるが、単価が安いことに加え、世帯構成人数が複数の場合、いずれか一人でも買い替え経験者が居れば該当世帯となるため、高めの値が出る。

主要属性別では次の通りとなる。

↑ 携帯電話買替世帯率(総世帯、世帯単位、属性別、2015年)
↑ 携帯電話買替世帯率(総世帯、世帯単位、属性別、2015年)

若年層世帯の買い替え率が断トツに高いが、50代まではほぼ高い水準を維持しているのが興味深い。また、世帯年収別ではきれいな形で高年収ほど高買い替え率が出ている。年収1200万円以上では4割近くが携帯電話の買い替えを果たしている。

一般世帯と単身世帯、それぞれの動向は!?

一般世帯(二人以上世帯)と単身世帯との間では、携帯電話の買い替え状況にも多分な差異があるものと考えられる。そこでそれぞれの世帯動向を確認していく。

まずは全般的な買い替え率。

↑ 携帯電話買替世帯率(単身世帯/一般世帯、世帯単位)
↑ 携帯電話買替世帯率(単身世帯/一般世帯、世帯単位)

二人以上の方が当然世帯単位の携帯電話数が多くなるので、買い替えの可能性も高くなる。結果として、買い替え世帯率も高くなる。一般世帯ではおよそ1/4で携帯電話の買い替えが行われている。

直近年における各種属性別の動向は次の通りとなる。

↑ 携帯電話買替世帯率(単身世帯/一般世帯、世帯単位、属性別、2015年)
↑ 携帯電話買替世帯率(単身世帯/一般世帯、世帯単位、属性別、2015年)

やはり携帯電話は若年層世帯の方が買い替え率は高い。例えば単身世帯の30歳未満では1/3強が携帯電話の買い替えを行っている。ただし一般世帯となると世帯主本人ではなく構成員の子供の買い替えも該当しうるため、50代までは高めの値を維持し続ける。

他方世帯年収別では一般世帯はほぼ比例する形で高年収ほど高買い替え率を示すものの、単身世帯では中堅クラスが最大値を示し、それ以上の年収ではむしろ下がる傾向にあるのが興味深い。高性能機を所有し、買い替える必要を感じていないのかもしれない。

携帯電話は新機種の展開に伴う買い替え需要が大きい。iPhoneの新機種発売などによる買い替え状況の動向を見たいところだが、残念ながら該当項目の調査が2014年分以降の実施のため、状況の確認は出来ない。今後の動向を見極めたいところだ。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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