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2ndステージ開幕戦。ガンバ大阪が白星発進。試合後、ガンバ監督、選手コメント。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ガンバ大阪がホーム・万博記念競技場にヴァンフォーレ甲府を迎えての2ndステージ開幕戦。9分という早い時間帯に先制を許したことで、甲府により守備を固められ、なかなか攻撃チャンスを見出せない苦しい展開が続いたが、34分にFWパトリックが同点弾。更に試合終了間際の90分にもFWパトリックの裏への飛び出しからPKを奪い、それをFW宇佐美貴史が決めて逆転勝利をおさめた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

セカンドステージ開幕戦を白星でスタートできたのは、本当に最後まで選手が勝利にこだわってプレーしてくれた結果だと思っています。サポーターに勝利をプレゼントできてよかったと思います。入りは中断が少し影響したのか、よくない入りでした。逆に甲府に主導権を握られて、自分たちの形をつくれなかった。少しシステムをいじって、そこからテンポもでてきたので、このまま押し切れればと思っていたましたが、やっぱり甲府もここ最近、非常に調子がいい、守備も堅いということで、なかなか簡単にはゴールチャンスを与えてくれなかった。そういう中で少し疲れが見えた選手がいたので、また少しフレッシュなメンバーをいれながら戦いました。最後は気持ちの部分だったと思います。ああいう形でパトリックも疲れていながらもディフェンスラインの背後を走って、PKをとってくれて、貴史が決めてくれたのは大きな結果だと思います。なかなかJリーグで逆転勝ちできていなかったので、そういう意味ではこの時期、逆転ができて、非常にソリッドな甲府に勝ててよかった。また連戦なので切り替えるところは切り替えて気持ちを整えて次の試合に向けて準備をしていきたい。

ー遠藤選手を交代されましたが。狙いは?

やっとを途中からトップ下にいれて、だいぶスプリントの回数も増えてアグレッシブにプレーしてくれたが、若干疲れもでてきたのかなと思ったので。そういう意味では連戦ですしフレッシュな選手を前におきたいということでかえました。

ー2列目の選手がなかなか機能してこないとこれからの連戦も厳しくなるのかなと思いますが。

その通りだと思います。まだまだ本調子じゃない選手もいますしね。ただ一番苦しかった時期はみんながパタっととまっていた部分がありましたが、最近は…何人かの選手はまだまだとはいえ、だいぶんコンディションがあがってきた選手もいるので。そういう意味では全員良いプレーをしてくれたらそれにこしたことはないが、だいぶん前線が活性化してきたのは良かった。

ー前半途中でダイヤモンドにかえたのは、甲府にサイドで後手を踏んでいたことへの対策だったのでしょうか。

サイド、というよりシャドーの阿部のところがやられていたので、2シャドーをしっかりみさせて方がということもあったし、攻撃でなかなかダブルボランチが後ろにいて、両ワイド、という中で甲府もそのへん戦い方になれた感じもあるし、本当にやっとがトップ下に入ってくれて相手の嫌なポジションをとって攻撃にだいぶ変化がでてきたのはよかった。甲府は佐久間監督が非常にかちっとチームを作り上げているので、少し相手の目先をかえないと難しいかなと思っていじりました。

●今野泰幸

予想どおり、相手も堅かったし、しかも今日も暑くて湿度も高くて立ち上がりふわっと入ってしまった。(Jリーグでこれだけ早い時間帯に失点するのも珍しいですが)そうですね。やっぱり集中していなかったといわれても仕方ない。防げる失点だったと思うし、ポジショニングミスが3つくらい重なってしまったから。僕ももう少しいいポジションにいればよかったし、ヨネも中から追い出せば良かったし、最後のところには丹羽ちゃんもいたので。そのポジショニングミスが重なっての失点だったのでホントこういう事が今後ないようにしていきたい。

ー相手も先制した後5−4−1のように割り切ってブロックを作ってきた。相当こじあけるのは難しかったと思いますが。

そうですね、繋いでいても効果的なパスが少なかったし、ミドルパスとかロングパスでパトリックを狙ってこぼれ球を狙うっていうくらいしか前半は特に攻め手がなかったので。難しいなと思いながらやっていました。(ただ、ダイヤモンドにしてからはヤットくんがトップ下に入ったことでテンポが出てきました)少しかわりましたね。ずっと同じテンポでやっていたけどヤットさんがトップ下に入ることで巧く引き出してくれたし、やっぱりヤットさんが入ってくれると周りの押し上げのタメを作ってくれるので少しリズムも変わった。

ーJリーグではなかなか逆転勝ちがなかった中で、内容は満足いくものではなかったかもしれないけれど、結果を出せたのはこの連戦を考えても大きいですね。

だからこれを無駄にしたくないですよね。誰1人、今日の内容には満足していないし、もっともっと内容だったりっていうのをあげていかないと、優勝は見えてこないと思うので。今日の試合を無駄にしないように次に繋げていきたいと思うし、今日も課題が多かったので。甲府相手にあれだけボールをまわされるのだから、もう少し中盤で圧力も加えたいし、自分たちがボールをもった時に効果的な、相手が疲れるような、嫌がるようなポゼッションを出来ればと思います。

●米倉恒貴

この勝利は本当に大きいです。正直引き分けでもおかしくなかったし、そういう試合を勝てたというのは…運も大事だし、良かったと思います。

ー前半倉田選手からきたボールでいい形になりかけたシーンもありました。

イメージはもう少し柔らかいパスがくるかと思ったんですが、あまりにも早かったんで、あまり狙ってクロスをあげられなかったと思うので。でも試合前からああいうボールを狙っていて、って秋には頼んでいたので。監督もセカンドバイタルというか、相手の背後をつけたらチャンスになるといっていたので個人的にはそこを狙っていたんですがゴールには繋がらなかったですね。あれをゴールに繋げていかないといけないしああいうのが起点にゴールになるようにしたいです。

ー代表の予備登録メンバーになりましたが。

予備登録に入っただけなんでまずはガンバで、自分が納得いくくらいいいプレーが出来ないと意味がないので。まだまだですね。ここまで振り返っても納得できる試合は殆どない。もっとできなきゃいけないと思っているので。もっとやりたいと思います。

●東口順昭

ああいう失点は気をつけていたんですけど。個人でやられたんで、修正できる部分ではあるかなと。(ポジショニングミスもいくつかあったと、今野選手は言っていましたが)相手が堅かったから、攻撃の時に自分たちの形というか、相手のフレームの外でやろうとしてバランスが結構崩れていたので。その分、カウンターがきつかったかなとは思います。そういう意味ではポジショニングは少し悪かったのかなと思います。(あれだけガンバの守備陣がアッサリと交わされることも珍しいですよね)そうですね、まあ、一週間あいて、っていうところもあると思いますが、ああいうところでしっかりとめれるようになりたいし、そんな難しいボールでもなかったので。

ー試合の内容としてはガンバらしくないながらも、結果を出せた。それは収穫だと思いますが。

こういう試合を勝てたらラッキーだし次にも繋がる。こうやって勝ち点を積み上げていくのは強いチームだと思うので、良かったと思います。特に連戦ということを考えても、セカンドステージ最初の試合だったし、まずは結果が全てだったと思います。

●岩下敬輔

(失点シーンについて)本当に個々が軽かったですし、あんなにあっさり決められるのは珍しいかなって思うくらいで。一人一人がもっとしっかり集中しなければいけなかったと思います。(途中30分くらいにボールを蹴りだした際に監督に呼ばれていましたが)その少し前に中盤の形を少しかえて、リズムを変えたいというのが監督の狙いだったと思うので、そこの確認と、もう少し秋とか前に絡ましてあげたかったので、今ちゃんとのビルドアップのところの確認をしました。

ー遠藤さんをトップ下にしましたが。

そうですね。だからあそこで呼ばれる前にそのフォーメーションでやって言っていたのでその確認と、後ろのリスクマネージメントをやってくれ、と言われたので。それで失点したのもあったので2点目をとられたらきつかったし、そこは徹底しようと言う話でした。

ー今ちゃん1枚でアンカーでしたが、甲府が引いていた分前には出て行けるという感じでしたが。

前にいきたくても後ろに甲府も人数をかけていたので、逆に人が多過ぎてつまっている感じもあったので。やっぱりそこにスペースをつくるために、やっとさんが2列目から抜けたりすることによってディフェンスラインをさげたりして、パトや貴史が触ってというシーンも増えたし、サイドからシンプルにパトの高さは使えてはいたんですけど、それに誰かが絡まないと厚みのある攻撃はできなかったので。そこを監督は狙いでかえたのかなと思います。

●パトリック

(得点について)ファーサイドのボールでしたが、今週はそういった練習をしていたので、そういうシュミレーションができていたからこそ強くヘディングができました。若干、GKがミスした感じもありますが、ゴールをとれて良かったです。

ー第二ステージの開幕戦を勝利で飾れたのは大きかったと思いますが。PKもご自身でとられましたし。

去年も後半戦から良い形で勢いに乗って最後までいけたので、今年もセカンドステージの開幕戦から結果を残して続けることが大事だと思っていました。内容としては難しいゲームでしたが勝ててよかったし、また切り替えて次の名古屋戦に繋げたいです。

●宇佐美貴史

相手に主導権を握られて、ということをしっかり理解して戦ってくる相手に対しては、ああいう形で先制点を絶対に与えてはいけないし、それを与えたことでより自分たちをやりづらく、相手を戦いやすくしてしまったのかな、と思うので。そこで相手が守るメンタリティを保ちやかったと思いますしね。ただ前半で追いつけたのが良かったと思いますしその勢いを後半にとか、積極的に、というように繋げられた訳でも、チャンスがあった訳でもなかったですけど、なんとか逆転できたのは良かったと思います。

ーPKについて

全く緊張もなかったし、プレッシャーもなかったし、やっとさんがいたらやっとさんが蹴るでしょうけど、蹴らしてもらえれば決めれる自信もあるので特に緊張もなかったです。(相手のGK知っている選手でしたけど)知っている選手だからこそ逆にやりやすくもあったというか。GKみて逆に蹴ればPKは入るので、元々チームメイトだったり、ということはあまり関係ないかなと。(PKはGKみてから蹴る感じですか?)みるというかだいたい視野に入れて蹴るくらいです。今のところ逆に蹴れているように全然問題なく蹴れてます。

ー苦しい内容ながらも結果を出せたのは大きいと思いますが。

そうですね。内容が良かったとは思わないですが、もっともっと内容をあげていけるきっかけになる試合になると思いますし、チャンスはしっかり作っているので、そこで決めきれるかという質の部分もあげていかないといけないので。今やっているサッカーをもっともっと追究して、こういう暑かったり、湿度が高いというコンディションでも常にいいプレーができるように、アグレッシブにやれるようにしなきゃいけないと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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