中国でも自民党総裁選・石破茂氏選出を速報 中国人は石破氏をどう思ったか?
9月27日、自民党の総裁選挙が行われ、決選投票の結果、石破茂元幹事長が新たな総裁に選出された。各テレビ局が選挙結果を速報した直後、中国のCCTV(中央テレビ)や新華社、人民網などの各メディアも速報を打った。
政府系の環球網はNHKの放送を引用し、「自民党総裁選で石破茂が高市早苗に勝利し、自民党総裁になった。10月1日の臨時国会で首相に指名される」と報道した。
また、読売新聞の報道をもとに、石破氏は67歳で、1986年に初当選して国会議員となって以降、小泉純一郎内閣で防衛庁長官などを歴任した、などと伝えた。新京報、中国新聞網など各メディアも同様に石破氏の経歴を報じた。
中国外務省の報道官は石破氏当選を受け「日本が平和的発展の道を堅持することを希望する」と述べ、石破氏が8月に台湾を訪問したことについて問われると「中国は常に日本の政治家が台湾を訪問することに断固反対する」と述べた。
中国のSNSでランキング1位
筆者が午後5時時点で中国のSNS、ウェイボー(微博)を確認したところ、「石破茂が日本の首相になる」がホット検索ランキングで第1位となっており、午後7時半の時点でも、ランキングの5位に入っていた。
一般の中国人の反応はどうだったのか。午後8時にウェイボーを確認すると、2~3秒間隔で石破氏についての投稿が行われており、高い注目を集めていた。投稿内容を見ると、石破氏の略歴を紹介する人や、「石破」という日本の姓がおもしろいと書く人、日本人がXに投稿した内容をそのまま中国語に翻訳する人などがいた。
ほかに、石破氏が軍事オタクで軍事に関する知識が豊富であることや、中国でも大人気のアニメ・漫画『ドラゴンボール』の人気キャラ『魔人ブウ』のコスプレをした映像や写真も多数シェアされていた。中国では、政治家がアニメのコスプレをすることはあり得ないため「意外におもしろそうな人」だと思われたようだ。高市氏に比べて石破氏が中国に対して比較的穏健であることも好意的に受け止められている。
また、石破氏の知名度が中国ではあまり高くないことから「石破茂はどんな人?」と質問を投げかけたり、調べたりする人も続出。一部メディアや在日中国人が、石破氏の父親の石破二郎氏について紹介。鳥取県出身で東京帝国大学(現在の東京大学)を卒業後、田中角栄氏と懇意になり、のちに鳥取県知事になった人であることなどが紹介されていた。
中国では田中角栄氏の知名度は現在も非常に高い。田中氏のすすめで石破氏が政治家になったことから、中国との縁を感じた人もいたようだ。