温泉ジャーナリストの植竹深雪です。

日本の温泉でもわずか約0.5％しかないといわれる天然炭酸泉。

そもそも温泉の中に炭酸（遊離二酸化炭素）が1リットル中1000ppm以上溶け込んでいる二酸化炭素泉はもちろん、炭酸水素塩泉でも遊離二酸化炭素が豊富に含まれ（体感的には500ppm程以上）、実際に炭酸特有のシュワシュワを天然で感じることができる温泉自体、実はかなり希少です。

スーパー銭湯でも導入するところが多く、今やすっかり定番人気となった高濃度人工炭酸泉。人工でも特有の心地よさや、からだへの健康効果もしっかり感じられますが、天然炭酸泉の心地よさはやはり格別。

天然炭酸泉はぬる湯か冷泉が多いので、じっくりと温泉に浸かって日頃の疲れを癒したり、冷え性対策、さらに乱れがちな自律神経を整えることができることも魅力の一つです。

そこで今回は、全国でもかなり希少な天然炭酸泉の中で炭酸をしっかり感じたいならまずはここへ、ぜひ行ってみてほしいと思う至極の温泉を５つご紹介します。

黄金温泉

北海道蘭越町、ニセコの隣町にある黄金温泉。

ここは米農家の林さんが温泉を掘りあて、浴槽を10年かけてコツコツ作りあげた畑の中にある秘湯の温泉です。
この温泉がかなり極上。内湯と露天風呂があり、浴槽もバラエティーに富んでいますが、特に露天風呂のこぢんまりとした釜風呂と寝湯では、他の浴槽より炭酸ガスが多く湯に含まれているので、シュワシュワアワアワを楽しむことができます。

黄金温泉は場所とぬる湯の特性上、5月〜10月末までの期間限定営業です。

湯屋温泉 炭酸泉の宿 泉岳館

岐阜県下呂市。下呂温泉の奥座敷ともいわれる湯屋温泉。
ここは400年以上の歴史を持ち、古くから「胃薬より湯屋の炭酸泉」といわれてきたほど胃腸に効能があると、多くの湯治客の身体を癒してきた温泉です。

なかでも泉岳館では、まるでシャンパンに浸かっているかのような浴感の炭酸泉をじっくりと浸かることができます。

こだわりの湯づかいにより、かなり繊細な炭酸泉を体温ほどのぬる湯で堪能できるほか、ここは飲泉許可が出ているので、飲泉により身体の中から胃腸を整えることができます。まさに極上の炭酸泉でデトックスとリトリートが叶う湯宿です。

千原温泉　　

島根県美郷町。山間部にある、千原温泉。
ここは三瓶山にひっそりと湧き、明治18年から続く秘湯の湯治場です。

古から「切り傷や火傷、慢性皮膚病」で悩む人のからだを癒してきた療養専門の温泉ですが、今は湯治客だけではなく一般の人も利用できます。
内湯のみで、足元から炭酸を含んだピュアな湯が湧く”足元湧出”の温泉が秀逸。

薬効豊かな黄金色の温泉は非加熱源泉、体温ほどのぬる湯炭酸泉が尊い温泉です。

ラムネ温泉

日本一の炭酸泉をうたう、大分県竹田市にある長湯温泉。
なかでもラムネ温泉は、世界屈指の炭酸泉を一番感じられるということと雰囲気のよさで長湯温泉の中でも特に人気があります。

湯に浸かると、プチプチ弾けるラムネのような気泡が全身瞬く間にを包み込み、炭酸泉ならではの醍醐味を余すことなく楽しむことができます。

露天風呂でしっかりと天然炭酸泉を感じられるところは、全国各地をみても片手で数えられるくらいしかないという希少な温泉です。

七里田温泉 下ん湯

大分県竹田市、一つ上のラムネ温泉から車で10分程の場所にある七里田温泉。

七里田温泉には、「木乃葉の湯」と「下ん湯」の２つの温泉があり、「下ん湯」で強炭酸級のシュワシュワアワアワを堪能することができます。

ぬる湯と炭酸泉が大好きな温泉ジャーナリストが、日本各地はもちろん、さらに海外の炭酸泉の温泉に浸かって来た中、ここは驚異的な泡の強さだと思った天然炭酸泉。2023年のリニューアル後は、これまで以上にさらに泡つきが増えて、さらに強炭酸を感じることができるようになりました。

大地の恵。炭酸泉好きならば特に一生に一度はぜひ、この感動を味わってほしいと止まない至極の炭酸泉です。

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