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【聖地巡礼】人生で一度は行ってみたい!まるで千と千尋の神隠しの世界な温泉5選

植竹深雪温泉専門家/温泉ジャーナリスト

温泉ジャーナリストの植竹深雪です。

今、温泉旅館に関する検索ワードで
「ジブリ映画の世界を楽しめる旅館」
「千と千尋の神隠しな湯宿に泊まる」

で検索をかける人が増えていて、SNSでもバズっていることをご存知でしょうか?


スタジオジブリ作品のひとつ「千と千尋の神隠し」
言わずと知れた日本映画史にのこる名作品のひとつですが、
映画では温泉旅館が舞台となっています。

この旅館を描くにあたってモデルとなったのでは?といわれている旅館、実は数多くあります。というのも宮崎監督はこれまで訪れた複数の旅館を組み合わせながら「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋を作ったと明言しているので、1つの旅館だけを見て作り上げた作品ではなく、いくつかの旅館を見たり泊まってみて独自のイメージを作り上げたからなのかもしれません。


今回は数多くある「千と千尋の神隠し」のモデルになったといわれる旅館の中で、
ここは温泉としてもおさえておきたい湯宿、実は知る人ぞ知る素敵な湯宿を厳選し温泉のプロの目線からもオススメしたいところを5つご紹介します。

渋温泉 金具屋旅館/長野

長野県渋温泉にある、歴史の宿金具屋


ここは江戸時代から続く老舗名旅館で、登録有形文化財の建物や異なる造りの客室、そして館内でも文化財巡りができるほどの名建築美を堪能できます。

昭和初期につくられた4階建て木造建築「斉月楼」が、夜になると華やかに輝く油屋のようといわれているスポット。ライトアップした美しい外観と重厚な佇まいがとにかく圧巻で、写真を何枚も撮りたくなってしまうところです。

金具屋の館内には8つの温泉があり、すべて源泉かけ流し。

湯口はもちろん、蛇口も温泉が使用されています。

鉄分を豊富に含み、保温保湿効果も期待できる温泉は湯も極上。

なかでもクラシカルなステンドグラスが素敵な「浪漫風呂」と、荘厳な佇まいの

「鎌倉風呂」では、絵になる程素敵な浴室美の世界も堪能することができます。

金具屋旅館

住所:長野県下高井郡山ノ内町平穏2202

電話:0269-33-3131

日帰り入浴:不可

公式サイト: 歴史の宿金具屋(外部リンク)

四万温泉 積善館/群馬


群馬県四万温泉にある、積善館

ここは元禄7年創業の老舗で、日本最古の湯宿建築の名旅館です。


旅館の前、新湯川にかかる赤い慶雲橋と歴史が感じられる木造の建物が油屋を彷彿させ、かなり近いモデルとなったのではと噂されています。

5つある浴槽は温度帯が微妙に異なる
5つある浴槽は温度帯が微妙に異なる

宿が誇る名湯「元禄の湯」は国の有形文化財にも指定されています。

5つ並ぶお風呂と大正の雰囲気が感じられるアーチ形の窓が特徴的で、大正ロマンの雰囲気とともに、芒硝の美人の湯でしっとり保湿温泉で名建築と名湯をあますことなく堪能できるのが魅力的です。

積善館

住所:群馬県吾妻郡中之条町四万温泉

電話:0279-64-2101

日帰り入浴:10時〜17時30分

料金:大人1500円(フェイスタオル、歯ブラシ付)

公式サイト:積善館(外部リンク)

銀山温泉 能登屋旅館/山形

山形県にある銀山温泉は、「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルとなったと噂されている温泉地です。
夕方から夜にかけてガス灯の幻想的な灯りに包まれた温泉街が特に素敵で、ノスタルジックな街並みを何枚も写真に収めたくなります。


なかでも旅館永澤平八と能登屋旅館は、特に銀山温泉のシンボル的存在の湯宿ともいえるほど銀山温泉を代表する湯宿で、玄関前で写真を撮る人が絶えません。

銀山温泉のなかでも特に予約困難を極める能登屋旅館

ここは明治25年創業の老舗旅館で、日本秘湯を守る会にも加入するほどよき温泉を湯浴みすることができます。

笹にごり色の湯は硫黄分を含んだ硫酸塩泉の温泉で、Wで美人の湯。よき湯が肌によく馴染み、湯上がり後のほかほかがかなり持続します。

能登屋旅館

住所:山形県尾花沢市大字銀山新畑446

電話:0237-28-2327

日帰り入浴:不可

公式サイト:能登屋旅館(外部リンク)

道後温泉 本館/愛媛

愛媛県にある道後温泉

ここは、日本最古の温泉で約3000年の歴史を誇る日本三古湯の一つです。

「日本書紀」や「源氏物語」などの古い文献にも登場し、飛鳥時代に聖徳太子が来浴した話をはじめ、伝承も数多く残っています。

「千と千尋の神隠し」のモデルとなっているところは諸説あったり、噂レベルのところも多くありますが、道後温泉本館は宮崎監督がモチーフにしたのだとはっきり明言している温泉です。

改装リニューアル前に撮影許可いただいた写真を使用しています
改装リニューアル前に撮影許可いただいた写真を使用しています

道後温泉本館には、「霊の湯」と「神の湯」という2つの浴槽はあります。

石造りの「神の湯」は、円柱形の「湯釜」が独特な雰囲気を演出しており、国の重要文化財に指定されているもの。


少し熱めに感じる湯はアルカリ性単純温泉でとろみがあり、なめらかさも感じる湯が心地よい温泉です。

道後温泉本館

住所:愛媛県松山市道後湯之町5−6

電話:089-921-5141

日帰り入浴:6時〜23時

料金:神の湯階下 60分 大人700円

公式サイト:道後温泉本館(外部リンク)

湯原温泉 元禄旅籠油屋/岡山

岡山県湯原温泉にある、元禄旅籠油屋


ここは屋号どおり元禄元年に創業された老舗旅館で、昔から旅人の道中の灯りの油を用意していたことから「油屋」と呼ばれていたそうです。
映画公開当初はこの油屋という名前から、ここがモデルになったのではないかと噂されていたとのこと。


宿泊専用棟「夢酔庵」と温泉とお食事処がある「食湯(しょくとう)館」があり、
日帰り入浴や食事だけの利用もできます。

右の貸切家族風呂「薬王湯」は源泉かけ流し
右の貸切家族風呂「薬王湯」は源泉かけ流し


男女別の露天風呂の他、宿泊者専用の貸切家族風呂があります。
アルカリ性単純温泉の湯で、とろりとした浴感が心地よい温泉です。

元禄旅籠油屋

住所:岡山県真庭市湯原温泉27

電話:0867-62-2006

日帰り入浴:11時〜15時

料金:大人1100円

公式サイト:元禄旅籠油屋(外部リンク)

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温泉専門家/温泉ジャーナリスト

現役アナウンサーで温泉専門家|温泉ライター|温泉の持つ湯力や美肌力等に魅せられ、国内外3500湯以上1500泊以上ほぼ自費で宿泊するほど大の温泉好き。現地に何度も足を運び、温泉全般、旅館、ご当地グルメなどにおいて温泉施設、旅館経営者や女将さんへ綿密な取材のうえ各メディアに発信。人気情報番組から報道番組コメンテーター、雑誌連載において利用者目線のわかりやすい解説は、各業界からの信頼も厚い。温泉に関する資格多数取得。precious.jpにて連載中。著書『からだがよろこぶ!ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)

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