1ドルの金銭トレードは今回が初めてではない。マリナーズは二匹目のドジョウを狙った!?
8月8日、シアトル・マリナーズは1ドルと引き換えに、テキサス・レンジャースからアーネスト・フリエリを獲得した。
この金額は、冗談のように思える。ただ、1ドルの金銭トレードはこれが初めてではなく、過去にも何度か成立している。
他にもあるかもしれないが(ご存じであれば教えてください)、フリエリのトレードは少なくとも5件目だ。マリナーズにとって、フリエリは1ドルで獲得した2人目の選手となる。1人目のトニー・ジックは現在もマリナーズにおり、今シーズンは41試合に投げ、防御率2.17、11ホールドを記録している。その前の2シーズンも、登板はそれぞれ15試合未満ながら、防御率は2.45と3.29だった。
もっとも、ジックとフリエリではトレードされた時の年齢が違う。当時のジックは24歳で、まだメジャーデビューしていなかった。トレードから5ヵ月後に初めてメジャーリーグの試合に出場し、1910年代にプレーしたダッチ・ズウィリングに代わって「ラストネームをアルファベット順に並べると最も後ろに位置するメジャーリーガー」となった。
一方、フリエリは9月に33歳を迎える。昨シーズンは4月5日にフィラデルフィア・フィリーズから解雇され、その後はどの球団とも契約しなかった。今シーズンはニューヨーク・ヤンキースを経て、6月にレンジャーズでメジャーリーグ復帰を果たしたが、6登板のうち2試合で2点ずつを失った。
また、ミルウォーキー・ブルワーズが1ドルの金銭トレードを行った時のGMは、2度ともダグ・メルビンだが、マリナーズはそうではない。ジックを獲得したのはジャック・ズレンシック、フリエリを手に入れたのはジェリー・ディポートだ。
フリエリは2012年5月から2014年6月までロサンゼルス・エンジェルスに在籍し、157試合に投げて71セーブを挙げた。エンジェルスのGMとして、フリエリをトレードで獲得し、フリエリをトレードで放出したのが、ディポートだった(どちらのトレードも選手と交換した)。また、マリナーズのスコット・サービス監督はその当時、ディポートの下でアシスタントGMを務めていた。
8月9日、マリナーズ傘下のAAA、タコマ・レイニアーズのユニフォームを着てマウンドに上がったフリエリは、2.1イニングを完璧に抑え、4三振を奪った。