厳しい暑さに負けて、食事もそうめんなど簡単なものですませてしまいがちな今日この頃。こんな時こそ栄養補給をと、以前から気になっていた『宝塚小林農園』さん併設のCaféで、野菜いっぱいの健康ランチをいただいてきました。

宝塚小林農園さんは、阪急宝塚線・逆瀬川駅から徒歩10分、県道377号線から少し脇に入った閑静な住宅街にあります。開設してまだ5年ですが、充実した設備と地域での取組みから多くのメディアに取り上げられ、『2020年度宝塚市ブランド』第5回「モノ・コト・バ・宝塚」の「コト」に選定されるなど、注目を集めています。

とにかく農業のハードルを低くしたい

まずは代表の山本秀二さんに農園を案内していただきました。こちらでは山本さんが管理されているエリア以外に、一部を一般の方に貸し出しています。化学肥料を使わない有機栽培を行い、道具から肥料まですべて農園に完備。畑仕事には不可欠のマルチングシートも格安で販売しています。さらには、休憩スペースや環境に配慮した水洗トイレなど快適に過ごせる設備が整えられ、そのおかげか利用者の７割は女性だそう。
個人的に感動したのは、育苗ハウスがあること。温度管理が難しい育苗もここなら安心です。

「はじめる時のハードルをなるべく低くしたい」と、山本さん。山本さんご自身がこの農地のオーナーであるため、ほぼ毎日常駐されているのも心強いですね。わからないことだらけの初心者でも、すぐ近くに教えてくれる人がいれば続けられそうです。

それでもハードルが高いという人は、さつまいも（10月）、じゃがいも（5～6月）などの収穫体験イベントがおすすめ。1月には農園で採れた果物を使ったジャム作り体験もあるそうですよ！

宝塚産のいちご

小林農園さんでは「宝交早生」という珍しい品種のいちごが栽培されています。約60年前に当時の宝塚試験場で交配されたもので、「さちのか」や「章姫」のルーツとされるものだとか。

現在、農園の一画で育苗中で、秋の定植時には農園利用者の皆様や一般の方へも販売されるそうです。

お昼の時間です

農園見学の後、ここからは奥様の久美子さんにお話しを伺います。

冷房の効いたキッチン付きのトレーラーハウスは、真夏の農園ではまさにオアシス。ここでは久美子さんお手製の、朝採れ野菜をつかったランチを提供しています。

久美子さんのお家は代々この地で農業を営んでおり、お祖父さまから土の話をよく聞いたんだそう。「だいぶ忘れました」と笑ってらっしゃいましたが、淡路島は砂地なので玉ねぎが向いていて、丹波は粘土質なので黒豆が向いているなど、興味深い話がいっぱい。ちなみにお父様は、ほうれん草作りの達人だったとか。カッコイイですね。

ランチのメニューは週替わりで一品のみ。今週は『肉団子の甘酢あんかけ』です。料理する際にも、玉ねぎや辛いものは大丈夫ですかと聞いてくださり、客の好みに合わせた心遣いが嬉しいです。

メニューには『甘酢あんかけ』しか書いてありませんが、実際にはサラダに茄子と豚の炒め物、そして唐辛子と盛りだくさんです。

調理は、野菜のうま味をいかしてあくまでシンプル。玉ねぎのしゃきしゃき感と茄子のみずみずしさが沁みるひと皿で、揚げ肉団子や豚肉が入っているため、ボリュームもばっちりです。

仕上げのデザートは、いちごのつぶつぶ食感が楽しいミニケーキのアイスクリーム添え。ほのかな酸味が口に広がります。こちらは、さきほどご紹介した「宝交早生」を冷凍保存していたものを使っているそう。
これとは別に、冷凍した生のいちごをいただきましたが、小ぶりで酸味が強く、野生味あふれる元気いっぱいのいちごでした。

最後に、直売スペースで1袋100円（！）のスダチとオクラを買って帰りました。

ちなみに、農園見学は飛び込みでも大丈夫ですが、管理人さんが駐在しない日もあるため、ホームページでカレンダーを確認してから訪問することをお勧めします。席数が限られているのでランチも予約をしたほうが安心ですね。

のどかな景色を見ながらたくさんの野菜をいただいて、暑さで疲れた身体もすっかり元気に。食べるって大事だなと改めて感じた一日でした。

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