【京都市西京区】西山山麓の古社で山吹満開 天満宮では燃え上がる愛がごとくキリシマツツジ真紅のトンネル
京都の西の守護神とされる「松尾大社」を2024年4月22日に訪問すると、今井用水周辺や境内中が約3000株のヤマブキによって、まさに山吹色で染められていました。重森三玲(しげもりみれい)最晩年の最高傑作といわれる曲水の庭、上古の庭、蓬莱の庭の松風苑三庭では、珍しい白ヤマブキも花を咲かせていました。
嵐山付近で桂川をせき止め、物集女・寺戸をへて羽束師で、再び桂川に注ぎ込む今井用水は、かつて渡来氏族の秦氏が造ったといわれる潅漑用水路です。西岡十一ヵ郷(上六郷・上桂、徳大寺、下桂、革嶋、下津林、寺戸、下五ヵ郷・牛が瀬、上久世、下久世、大藪、築山)が契約を結び、用水の掟の順守を誓い合い、維持・管理し、この地域は、随分と活気を帯びていたようです。
東寺に伝来する「東寺百合文書」の中には、この「今井用水」の「差図」(重要文化財)があります。現在は、寺戸川、深田川と名を変えていますが、鎌倉時代末から現代に至るまで、この地域の農業を支える重要な用水として、今もその流路をほぼ変えずに流れています。
西京区の大原野周辺や、そこから隣接する長岡京市に入るとその周辺でも、小倉山を背景に見事な菜の花畑が広がっていました。
菅原道真が太宰府へ左遷された際に、この地で名残を惜しんだことから「見返り天神」とも呼ばれる長岡天満宮では、樹齢130年前後と推定されるキリシマツツジが、その花言葉「燃え上がる愛」にふさわしく、参道や八条ヶ池周辺を真っ赤に染め上げていました。
この時期にだけ開放されるトンネルとなった中央の参道を多くの参拝客が通り抜けていました。境内では西山特産旬の焼タケノコ始め、いくつかの露店が出され、猿回しも登場して賑わいを見せていました。
朝堀りたけのこを使った「たけのこ料理」が評判の錦水亭前の藤棚では、見事な紫色をした藤の花が満開でした。
桜が終わっても、西山山麓はあちこちで花の宴が楽しめます。ぜひ足を運んでみてください!
松尾大社(外部リンク)京都市西京区嵐山宮町3 075-871-5016