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薄毛にも小顔にもきく! いま「生えぎわメイク」に脚光

加藤智一美容ジャーナリスト・エディター
生えぎわメイクを施した画像。左がBefore→右がAfter。(写真:かならぼ)

ネットを通じたオンラインミーティングや、日常生活でのマスクの着用など、“新しい生活様式”が定着したことで、新たに注目されているメイクアップ部位があります。それは“生えぎわ”です。

その理由は、オンラインミーティングでは真正面から顔が映ったり、マスク生活では目から上の部分が露出することで、人の視線が自然に“生えぎわ”へと注がれるようになっているからです。

それに伴い、男女問わず、さまざまな“生えぎわメイク”が生み出されているのをご存じでしょうか。

生えぎわに“影”を入れて小顔に見せる

男性の場合は、オンラインミーティングが増えたことで、当初は「顔色を明るく整えたい」、「眉を凛々しく見せたい」という声が多く上がっていましたが、それに続いて、「薄毛を目立たなくさせたい」というニーズが増加。そのため、薄毛が気になる部分に、髪色と同系色のパウダーを振りかけることで、薄毛が目立たなくなる“増毛パウダー”が人気を集めています。

これは女性の場合も同様です。ミーティング時にリングライトなどの照明を使う場合、生えぎわや髪の分け目が、より際立ってしまうために、生えぎわに塗布する“ヘアライン(生えぎわ)パウダー”や“生えぎわシャドー”が、隠れたヒットアイテムとしてロングセラーを続けています。

その代表格がビューティブランド、フジコから発売されているフジコ dekoシャドウです。

フジコから発売されているdekoシャドウ。もみあげを足したいときにも使える。(写真:かならぼ)
フジコから発売されているdekoシャドウ。もみあげを足したいときにも使える。(写真:かならぼ)

フジコPRの大谷奈央さんは、「生えぎわにシェーディングを加えることで、小顔に見せるテクニックは、韓国ではすでに約10年前から普及していました。ただ、日本人はメイクを丁寧に施すにもかかわらず、意外に生えぎわは手を加えていない、と思い、それがdekoシャドウを発売するきっかけになりました」と話します。

アイシャドーなどは水分を含んだ“湿式”がありますが、こちらはドライパウダーを採用しているため、肌にピタッと密着して、汗や皮脂でも落ちにくくなっていることが特徴。生えぎわの影になりすますことで、小顔効果や薄毛カバーを発揮してくれます。

生えぎわメイクで影をいれることで、額の丸みを演出。(写真:かならぼ)
生えぎわメイクで影をいれることで、額の丸みを演出。(写真:かならぼ)

「こちらの商品はリピーターが非常に多く、すでに16万個以上を売り上げているベストセラーです。『すでに8個目の購入です』というお客様もいらっしゃるほど。また、産後や抗がん剤による副作用により、薄毛に悩んでいる方々にも喜ばれている製品です」(大谷さん)

生えぎわメイクに使えるコスメは、こちらのほか、さまざまなブランドからも発売されています。男性でも簡単に使えるので、生えぎわメイクを試してみたいという人にもおすすめのアイテムです。

自毛植毛も生えぎわがトレンドに!?

一方で、大掛かりな手術と思われている自毛植毛でも、前髪付近だけに施すという“ヘアライン(生えぎわ)植毛”をリクエストする男性が増えているといいます。

自毛植毛に定評のある、薄毛治療専門クリニックの親和クリニックでは、「生えぎわや額の形など、ヘアラインの小さなパーツを整えたいというかたが増えてきた」と教えてくれたのは、親和クリニックの音田正光総院長。

そういった要望はリモートワークが増えてきた、去年の春ごろから20~30代の比較的、若年層の患者から増えてきたといいます。

「当クリニックは、そもそも加齢とともに進行する薄毛の悩みで来院される40代以降の男性患者様が中心でした。ただ、最近の傾向として、薄毛の悩みというより、オンラインミーティング時での“映り”を意識して、相談に来られる若年層が増えています」(音田院長)と、自毛植毛治療でも”生えぎわエリア”がトレンドになっているようです。

生えぎわメイクで見た目が変わる!

カーダシアン家の末娘、23歳のカイリー・ジェンナーも”生えぎわメイク”がお約束。
カーダシアン家の末娘、23歳のカイリー・ジェンナーも”生えぎわメイク”がお約束。写真:Splash/アフロ

フジコ dekoシャドウのような商品は、人のコンプレックスや劣等感を解消できるアイテムとして、“コンプレックス商材”と言われています。

なかでも、このようなメイクアップ製品は、わずかな時間と簡単なテクニックで、自分が求める見た目に近づけるという魔法のようなアイテムといえます。

特に、生えぎわ~おでこは骨格に関わる部位のため、見た目に大きな変化を与えられます。

これまでメイク部分としてノーマークだったのであれば、“生えぎわ”に手をかけることで、見た目の印象が見違えるはず。

新しい生活様式によってトレンドになった“生えぎわメイク”は、自分の新しい見た目に気がつく、きっかけを与えてくれるかもしれません。

美容ジャーナリスト・エディター

popteen(角川春樹事務所)、ViVi(講談社)、25ans(ハースト婦人画報社)など、女性誌の美容担当を経て独立。女性誌・男性誌・新聞など、さまざまな媒体で執筆。講演・PRアドバイスでも活躍。著書に「お洒落以前の身だしなみの常識」、「思わず触りたくなる美肌をつくる身だしなみメイク」(ともに講談社)などがある。

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