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NY原油2日:イラン各協議の進展を受けて反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油5月限 前日比0.95ドル安

始値 49.59ドル

高値 50.27ドル

安値 48.11ドル

終値 49.14ドル

イラン核開発問題の進展を受けて、反落した。

イラン核開発問題について、3月末の期限切れも協議が継続されていたが、漸く枠組での合意に至ったことを受けて、原油相場に対しては売り圧力が強くなっている。最終的な包括合意は6月30日までに目指されることになるが、オバマ米大統領はイランへの制裁は段階的に解除されるとしており、今後はイラン産原油取引に対する規制も緩和される見通しになっている。

まだ具体的にどのようなタイムスケジュールでイラン産原油取引に対する制裁が解除されるのかは不透明だが、現在のイラン産原油の生産高は経済制裁前の水準を日量100万バレル前後も下回っているだけに、短期間に大量供給が行われるリスクがある。この動きに連動して他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国が生産調整を行えば大きな問題にならないが、現実問題としては原油価格低迷が続く中で産油量を大きく落とすことには否定的な国が多く、イラン産原油の生産拡大の動きは、そのまま国際原油需給の緩和圧力に直結する可能性が高い。

前日は、米国内の原油増産ペース鈍化も支援材料になったが、在庫増加が続いていることには変化がなく、なお需給緩和に対する警戒感は払拭できていない。明日発表の3月雇用統計後のドル相場の動向にも注意が必要だが、需給バランスを均衡化させるには需要の上振れが必要不可欠とみており、なお本格反発は時期尚早と考えている。少なくとも米国内で原油在庫の急増傾向が続いている間は、原油相場の反発力は限定されよう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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