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【最新トレンド】マツエクの種類と注意点を皮膚科医が解説!

大塚篤司近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授
(写真:イメージマート)

【まつげエクステ(マツエク)の種類と特徴】

最近、つけまつげが新しい技術を取り入れて再び人気となっています。安価なつけまつげは合成ポリマーでできていますが、高級なものはミンクの毛やシルクの繊維を使用しています。

つけまつげには大きく分けて5つの種類があります。

1. 個別つけまつげ:4~6本の毛が束になっており、自まつげの根元に接着します。まつげが少ない部分や目尻につけると効果的です。

2. クラスターつけまつげ:毛束が上まぶたに接着されるタイプで、目の端を強調するのによく使われます。

3. ストリップつけまつげ:透明または黒いバンドに人工毛が付いており、上まぶたに接着します。目の形に合わせて長さを変えられるので、たれ目の印象を改善するのにも使えます。

4. マグネットつけまつげ:接着剤を使わず、マグネットでつけまつげを装着する新技術です。自まつげを挟み込む形で装着するので、外す際は横にずらすと簡単に外れます。

5. ファンタジーつけまつげ:派手な色の人工毛やフェザーを使った演劇用のつけまつげです。

つけまつげを繰り返し使用すると、接着剤で自まつげが痛んでしまうこともあります。マグネットタイプなら接着剤によるダメージを避けられるので、おすすめです。

【まつげパーマの仕組みと注意点】

まつげパーマは、ヘアパーマと同じ技術を使ってまつげの形を変える施術です。サロンで行われ、まつげをシリコンパッドに固定した状態で、パーマ液を10分ほど塗布して毛のジスルフィド結合を切断します。その後、セッティング液で毛を新しい形に固定し、コンディショナーで毛の表面を整えます。

まつげパーマは1回約5,000円で、効果は4週間ほど続きますが、施術後24時間は濡らしたりマスカラをつけたりしてはいけません。また、まつげが折れ曲がらないように仰向けで寝る必要もあります。

化学薬品を使用するため、目の周りの皮膚にかぶれや炎症を起こす可能性があります。アレルギー体質の人は要注意です。

【アレルギーや皮膚トラブルの予防法】

つけまつげやまつげパーマによる皮膚トラブルを防ぐには、以下の点に気をつけましょう。

・ 初めて使う製品は少量から試す

・ こすったり引っ張ったりしない

・ 清潔に保ち、古くなったら交換する

・ かゆみや痛み、発赤などの症状が出たらすぐに使用を中止する

皮膚トラブルが生じた場合は、目の周りなので眼科との連携が必要になることもあります。早めに皮膚科を受診し、アドバイスを受けるようにしましょう。

つけまつげやまつげパーマは、目元を華やかに見せてくれる一方で、皮膚トラブルのリスクもあります。正しい知識を持ち、慎重に利用することが大切です。

参考文献:

1. Brambilla E, et al. Int J Environ Res Public Health. 2020;17(12):4283.

2. Shanmugam S, et al. Contact Dermatitis. 2012;67(5):309-310.

3. Sato M, et al. Contact Dermatitis. 2017;77(6):414-415.

近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授

千葉県出身、1976年生まれ。2003年、信州大学医学部卒業。皮膚科専門医、がん治療認定医、アレルギー専門医。チューリッヒ大学病院皮膚科客員研究員、京都大学医学部特定准教授を経て2021年4月より現職。専門はアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患と皮膚悪性腫瘍(主にがん免疫療法)。コラムニストとして日本経済新聞などに寄稿。著書に『心にしみる皮膚の話』(朝日新聞出版社)、『最新医学で一番正しい アトピーの治し方』(ダイヤモンド社)、『本当に良い医者と病院の見抜き方、教えます。』(大和出版)がある。熱狂的なB'zファン。

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