日本脳炎の予防接種時期が変わり始めた?!
子育て中のご両親の心配事の1つに、予防接種のスケジュールが挙げられるのではないでしょうか。
例えば、4種混合ワクチンは、生後3ヵ月から接種、3~8週間隔で3回接種、そして3回目の約1年後(6ヵ月後から接種可能)に4回目を接種。
その間に保育園などで集団生活をしているお子さんは伝染病が流行ったり、兄弟から風邪が移ってスケジュール変更を余儀なくされたり。
1歳半健診に仕事のスケジュールの都合上なかなか行けなかったのですが、ようやく行ってきました。そこでちょっと不安になったので母子手帳を見せて予防接種の確認をしてもらったところ、言われた一言。
「日本脳炎の接種が終わってないねー」
日本脳炎とは
「日本脳炎」とは、厚生労働省のページによると、
しかし、ワクチンを打つことで防ぐことができる病気でもあります。
「え? でも、上の子のときには、日本脳炎って3歳からだったような…。」
我が家の1番上の長男のときには、「3歳になったら日本脳炎」が主流でした。出張のスケジュールの都合上、満3歳になる数日前に小児科に行ったところ、「満3歳か3歳未満かで打つワクチンの量が異なるので、3歳の誕生日当日以降に来たほうが良いですよ」と教えていただき、その日は打たずに帰り、3歳になって仕事が落ち着いてから再度出直したのを覚えています。
3歳以上では0.5ml のワクチンですが、3歳未満では0.25mlと半分の量と決まっています。
千葉県で0歳が日本脳炎と診断
2015年9月に千葉県で0歳の男児が日本脳炎と診断されていました。「千葉県内で日本脳炎が確認されたのは1990年以来、25年ぶり」だそうです。
1967年から積極的なワクチン接種が国内に呼びかけられた結果、劇的に減少していますが、発症が0人になったわけではなく、日本国内では国立感染症研究所からの報告によると、年間数名程度の発症という状況のようです。
前倒しの接種も増加
標準的なワクチン接種スケジュールについては、厚生労働省のページで以下のように定められています。
しかし、お手持ちの母子手帳をご確認いただくとわかるように、第1期は「生後6ヶ月以上90月未満」は接種可能となっています。
そこで前述のように、千葉県で0歳児が発症したという例から、千葉県や周辺である東京都・神奈川県などでは標準的なワクチン接種スケジュールである「3歳」まで待たずに、予防接種の打てる生後半年から打つと判断する小児科医や親御さんが増えているのだそうです。
日本小児科学会でも「日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について」にあるように、リスクが高いと判断された場合には、生後半年からの接種を推奨されています。
ちなみに、日本脳炎のウイルスを媒介するのは蚊です。夏になると、屋外で遊ぶ機会も増え蚊に刺される可能性も高くなります。インフルエンザなどの風邪も流行りが落ち着く今の季節が、実は接種するのに良い時期でもあるそうです。
予防接種は常に変化し続けている
子どもを3人育てているとその間だけでもいろいろと変遷がありました。
例えばポリオワクチン。1番上の長男の時には、生ワクチン。集団での定期健診時に経口摂取でした。しかし、次男のときには不活化ワクチンが出始めで移行期。生ワクチンは無料の定期接種だけど、不活化ワクチンは有料で特定の病院でしか打てない状況で、集団での定期健診時には希望者のみが行いました。末っ子の今は、三種混合と一緒にポリオの不活化ワクチンが加わった「四種混合」接種となりました。
予防接種には定期接種と任意接種に分けられます。以前は任意接種だった「ヒブ」や「肺炎球菌」はBCGなどと同様定期接種に、また、任意接種にロタウイルスが追加されたり、などほんの数年でずいぶんと変わっています。
ちなみに、このようにワクチンで防げる病気はVPDと言い、専門家や学会ではよく使われている言葉だそうですが、一般には広まっていません。「Vaccine(ワクチン)Preventable(防げる)Diseases(病気)」の略で『NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会』のページにわかりやすく載っていますのでご参考に。