NY金2日:株高、米利上げ警戒で反落
COMEX金10月限 前日比6.20ドル安
始値 1,139.00ドル
高値 1,141.90ドル
安値 1,131.20ドル
終値 1,133.60ドル
株価反発とドル高が嫌気され、反落した。
アジア・欧州タイムは1,140ドルを挟んで押し目買いと戻り売りが交錯する展開となり、明確な方向性を打ち出せなかった。しかし、ニューヨークタイム入り後は徐々に戻り売り圧力が強まり、マイナスサイドに沈んでいる。8月ADP雇用統計などを受けて、利上げ警戒の蒸し返しが上値を圧迫した模様。ただ、本日は原油相場が反発したこともあり、大きな値崩れを起こすには至らなかった。
世界の株価はなお乱高下を繰り返しており、金価格も上昇と下落を繰り返す不安定な地合を強いられている。ただ、本日は米国株が総じて堅調に推移したこともあり、主にニューヨークタイムの金相場は上値を抑えられる展開になった。ただこれを裏返せば、改めて株安が進めば瞬間的に買い戻される可能性もあると言うことであり、目先はなお方向性の定まりづらい展開が続き易い。
一方、今週は4日に8月雇用統計の発表を控えているが、本日はその先行指標となるADP雇用統計が発表された。そこでは民間雇用者数が前月比+19.0万人とされ、市場予測+20.0万人を下回った。7月分も速報の+18.5万人から+17.7万人まで下方修正されている。ただ、少なくとも米雇用環境は大幅に悪化していないことが示された形であり、マーケットでは世界的な金融市場の混乱状況が続く中でも米国の利上げは支持されるとの楽観的な評価が優勢に。これがニューヨークタイムの金相場の上値を圧迫した。
なお強弱感の交錯したボラティリティの高い不安定な相場展開が続き易いが、改めて金価格を本格的に押し上げていくには、1)利上げフレームの破綻、または、2)原油など他商品市況の上昇トレンド転換が要求されることになる。このいずれも困難なことを考慮すれば、ダウントレンドにおける調整局面との評価で十分だろう。金上場投資信託(ETF)の残高増加傾向にもブレーキが掛かり始めており、徐々に上昇圧力は抑制されてきている。