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フォルティウスに待望の新スポンサー決定、新体制の初陣では北海道銀行やロコ・ソラーレと対戦予定

竹田聡一郎スポーツライター
ロコ・ソラーレと対戦した21年9月の五輪代表決定戦 (C)JCA IDE

スマートフォンを中心としたリユースモバイルの売買事業を展開する「株式会社ニューズドテック」(NewsedTech INC./旧社名携帯市場)が、10日にリリースを配信。カーリング女子のフォルティウスとトップスポンサー契約を締結したことを発表した。

 フォルティウスは昨年2月、北海道銀行フォルティウスとして日本選手権を制したが、9月の五輪代表決定戦でロコ・ソラーレに2勝3敗で競り負ける。2014年ソチ大会以来の五輪出場を逃すとチーム結成以来、冠スポンサーだった北海道銀行との契約が終了。スポンサーを探しながら「フォルティウス」としてシーズン後半の戦いを余儀なくされていた。

 そんな中、ニューズドテック社の掲げる携帯の中古市場から新しいマーケットを切り拓くミッション「1.5市場で未来を拓く」と、フォルティウスが新体制として世界のトップへリスタートを切る姿勢が一致した格好だ。

21年2月、日本選手権にて。吉村は自身がスキップとして日本選手権で初戴冠となりMVPを獲得した (C)JCA IDE
21年2月、日本選手権にて。吉村は自身がスキップとして日本選手権で初戴冠となりMVPを獲得した (C)JCA IDE

 激動の1年だった。

 稚内での日本選手権、同じく前述の五輪代表決定戦、さらにチームとして初優勝したパシフィック・アジア選手権(カザフスタン・アルマトイ)を北海道銀行フォルティウスとして戦い、12月の世界選手権トライアルはチーム吉村として出場した。今回の発表で改めてフォルティウスとして活動することになるが、同一シーズンに3つの体制でプレーすることは異例といっていい。

 それでも船山弓枝、近江谷杏菜、小野寺佳歩、吉村紗也香、そして昨年12月に新加入した小林未奈の5人の根底にあるのは「カーリングが楽しい」という気持ちと「まだまだ強くなれる」という手応え、熱量だ。

 吉村は北海道銀行から離れる際にこんなコメントを残している。

「先輩方が築き上げたこのフォルティウスを今後も繋げていきたいという思いがあり、選手としての挑戦や選手としてだけではなく育成活動、普及活動、セカンドキャリアとしても幅広く活躍できる体制づくりに挑戦し、ゆくゆくは若手の選手に繋げていきながら何年経っても沢山の方々から愛され応援してもらえるチームを作っていきたい」

 今回のスポンサー契約はその大きな一歩目と呼べるだろう。

 新体制での抱負などは、今月30日に東京都内で開催されるニューズドテックの新規事業説明会にて5選手全員の口から語られる予定だ。

 また、フォルティウスはアジア王者として5月3日-8日にカナダ・オールズで開催されるグランドスラムの「KIOTI TRACTOR CHAMPIONS CUP」への招待が予想されるが、移動のリスクや帰国後の隔離期間などを考慮してこれを辞退する構えだ。5月21日に開幕する日本選手権に備える。

 新体制で連覇という極めて珍しい結果を目指すが、その日本選手権では五輪銀メダルチームのロコ・ソラーレや、こちらも新体制ながら北海道ブロックで優勝という結果を残した“古巣”北海道銀行(田畑百葉 、仁平美来、中島未琴、伊藤彩未)といったチームと対戦予定だ。由縁や歴史がスパイスとして働くような好ゲームに期待したい。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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