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「私の話も聞いてくれて、共働きを快諾してくれる男性」を発見!~お見合いおじさん活動月報(18)~

大宮冬洋フリーライター
イラスト:つぼいひろき

 自分も楽しくて他人の役にも立てる趣味がほしいと思ったのです。恋バナと会食が大好きな僕が見つけたのが、お見合いおじさん活動:略称おみおじ。自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる活動です。

 僕は友人でもあるイラストレーターのつぼい氏と組んで、2014年の春からおみおじを楽しんでいます(今までの活動レポートはこちらこちら)。僕の人脈をオネット(大宮ネットワーク)、つぼいさんの人脈はツヴォイと称して、男女それぞれ4人の会員に良さそうな独身者を紹介しているのです。

 僕たちのおみおじによって結婚した人は今のところ1人のみ。でも、いまだ独身の会員からも感謝されていますよ。友人知人のお墨付きの独身異性と出会えることって、年齢を重ねるごとに少なくなっていくからです。おみおじで恋愛感度を向上させ、別の場所で見つけた相手と結ばれた「卒業生」は過去4人います。「私は婚活に向いていないことがわかった」と去って行った人は5人もいますが、それもまた有意義な自己発見ですよね。

 結婚願望がある独身男女に優しくお節介する! 愛すべき隣人の婚活を結婚相談所やネットだけに任せておかない! 全国に広まってほしい「おみおじ」の実例をリポートします。

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よくしゃべるけれど聞き上手でもある秀樹さん

 お見合いを申し込めそうな素敵な独身さんはいないかな? 我がオネット会員のために日夜アンテナを立て続けている僕。「素敵」の基準は完全に主観です。前向きに働いていて、心身ともに清潔感があり、愛嬌のある人が好き。同性である男性に対しては基準が厳しくなりがちですが、あちこちに顔を出しているとたまに見つけることができます。

 IT関連の自営業である高木秀樹さん(48)とは、とある会合で知り合いました。背が高く、笑顔が印象的で、年齢よりも10歳ぐらいは若く見えます。同じ自営業同士で意気投合し、会話も弾みました。仕事が軌道に乗った5年ほど前から、ゆるく婚活をしているそうです。秀樹さんも僕を「弟にしたい愛すべきキャラ」だと好印象を持ってくれました。

 こうなると僕は図々しくなります。さっそく秀樹さんにメールをして、本連載を見せつつおみおじ活動を軽く説明し、理系女子の新井美穂さん(41)とのお見合いを打診しました。

「選んでいただけたのは、とても光栄でうれしいです。せっかくなので、もしお相手がよければお会いしたいと思います」

 秀樹さんからは理想的な即レス。嬉しいな~。ちなみにオネット女性会員4人の中から美穂さんを選んだのは、比較的年齢が近いので話が合いそうなこと、音楽好きという共通点があること、美穂さんは「私の話も聞いてくれて、働き続けることを認めてくれる男性」を求めていること、などが理由です。秀樹さんはよくしゃべるけれど聞き上手でもあるし、自営業なので堅い仕事で正社員をしている美穂さんとの組み合わせは良いはず。

お見合い相手の性格や実力を垣間見たい。そのための話題選びとは?

 2週間後の週末、僕が東京滞在中によく利用している門前仲町の喫茶店で2人を引き合わせました。それぞれちゃんとした社会人であることは僕を信じてもらうしかないのですが、恋愛感情を少しでも持てるかどうかは顔を合わせてみないとわかりませんよね。

 顔を合わせることが主目的なので会話内容は何だってかまいません。でも、相手の性格や実力が少しでも感じられるような会話ができたらお見合いとしては成功ですよね。

 まずは秀樹さんと美穂さんのお仕事の近況を聞きました。秀樹さんはずっと自営業で、以前は親戚から引き継いだイベント関係の仕事をしていたとのこと。しかし、飽和市場であるために営業がうまくいかず、現在のIT関連事業に切り替えました。

「ニッチな分野のビジネスなので、ライバルはあまりいません。仲間と一緒にやっていて、経営は順調です」

 美穂さんのほうは、大学院を出てから製薬会社でずっと働いています。部署の人間関係がとても良く、働くことが楽しいそうです。仕事って業務内容以上に人間関係が大事ですよね。わかるな~。美穂さん、やっぱり「いい女」です!

 すっかり楽しい気持ちになった僕は、自分の相談をさせてもらいました。腕のいい女性カメラマンと組んで、スタイリッシュなポートレートおよびプロフィールを作成する新規事業を始めようと思っています。婚活や転職活動などに幅広く使える写真と文章を提供するつもりです。秀樹さんと美穂さんは完全に顧客層なので、率直な印象を聞かせてほしいとお願いしました。

「ヘアメイクやスタイリストは付けないんですか? その事業のターゲットはどんな人ですか? 経営者向けならば10万円でも20万円でも売れると思うけれど、婚活用ならば3万円が限度じゃないかな。写真館では数千円で撮ってくれるところもありますから。大宮さんにインタビューしてもらえるという付加価値があっても、4万円ぐらいが妥当じゃないでしょうか」

 自ら事業をしている秀樹さんは、甘くない感想をはっきり言ってくれました。ありがたいな。秀樹さんへの尊敬の念が高まる僕。美穂さんはどう思います?

「3万円ならぜひお願いしたいです。がんばって出しても5万円かな……。女性は『記念』が大好きなので、婚活用ではなく自分へのご褒美としてならもっと出せるかもしれません。他人視点での自分の自然な姿を見たい、記念として残したいという気持ちはすごくあります」

 記念の写真、自分へのご褒美。素晴らしいキーワードですね! 大いに参考になります。僕以上に秀樹さんが感動し、美穂さんのアイディアを大いに褒めていました。美穂さんもなんだか嬉しそう。

 僕は「弟キャラ」なので、アドバイスをするよりもアドバイスされるほうが向いているのです。僕が主催するお見合いでの話題の1つは、「大宮が抱えている課題を3人で考える」でもいいかもしれません。助言の内容や伝え方に、社会人としての実力が見えることもありますよね。僕自身が大いに助かるので、お見合いを組むモチベーションも高まります。まさに一石二鳥! 今回は、有意義な発見をしたお見合いでした。

(僕とつぼいさん以外の登場人物は仮名です)

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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大宮冬洋が自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる、お見合いおじさん活動「オネット」(大宮ネットワーク)の舞台裏をご紹介。オネット会員の匿名のプロフィールやお見合いの様子、成婚&退会者インタビューのほか、チームメンバーの婚活講師マチコ先生による婚活必勝アドバイスもお届けします。また、本連載の購読者は無料オプションとして、会員とのお見合いを希望することもできます。

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