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【富山市】延べ2000組が宿泊&交流を深めた「泊まれる図書館寄処」5周年記念パーティーを開催!

岩井なな取材・インタビューライター(富山市)

10月5日のお昼過ぎごろ、富山駅から徒歩15〜20分ほどの場所にある「泊まれる図書館寄処(よすが)」は少し慌ただしい様子。この日は、寄処の5周年記念とあって、16時から始まるパーティーの準備に追われていました。

そんな中でも、施設に入ると、宿泊者や運営スタッフが人懐っこく話しかけてくださりほっと一安心。パーティーの開始時間が近づくにつれて、県内外から次々と参加者が集まります。お客さんとスタッフの関係というよりは、全員が同じ“仲間”といった感じで、アットホームなムードが漂っていました。

「泊まれる図書館寄処」のはじまり

泊まれる図書館寄処は、2019年10月2日にオープンしたゲストハウスです。オーナーの中西さんは岐阜県ご出身。富山大学入学を機に富山にやってきました。

学生時代、富山の魅力をあまり見つけられず、バックパッカーとしてフィリピンやインド、タイなど世界各国を巡ったといいます。「現地で積極的にボランティアに参加したことがきっかけで、将来は国際ボランティアに関わる仕事をしたいと考えるようになりました」と当時を振り返ります。しかし、3年生になり日本にいる時間が増えると、自分が日本でできることにも目を向けるようになったといいます。

普段会わないような人々と交流し、楽しく刺激的な時間を過ごした海外での経験を思い出したとき、「人と人との交流を通して、自分自身の価値観が大きく変わるようなコミュニティ空間を作りたい」と考えるようになったそう。その手段としてゲストハウスを選びました。

左 オーナーの中西さん、右  SNS担当のちっぴーさん
左 オーナーの中西さん、右  SNS担当のちっぴーさん

「4年生のとき、 “学生のために何か活動がしたい”と SNSで発信したところ、共感した仲間が集まってくれて、それを機にゲストハウスをオープンすることで起業しました」と話す中西さん。お金の面に関しては、ゲストハウスを作ると決意してから勉強を始めたそうです。出資者を募り株を多く持ってもらったり、2年目にはクラウドファンディングを行ったりするなど、多くの知恵とたくさんの人々の協力により、寄処のオープンと運営が成り立っています。寄処の入り口にある提灯(ちょうちん)には、スポンサーの企業名が書かれています。

大学卒業後は、現役大学生に学生管理人を任せてきた中西さんですが、今年1月に富山に戻ってきたことから、今は寄処のオーナーという立場で関わりを持っています。

「寄処に訪れるすべての人を歓迎します。その上で、とくに学生さんへの思い入れは強いです。お客さんや学生スタッフとの交流を通して、過去の自分のように、価値観が壊されるような経験をしてほしい」と、この場所への想いを語ってくださいました。

人々の交流が生まれる場所

寄処は、地元の大学生を中心に運営されています。毎日17時から営業を開始し、いつ誰が泊まりに来ても、富山のことを知っている学生スタッフが迎えてくれる安心感を与えてくれるゲストハウスです。

古民家を改装した実家のような雰囲気も魅力で、その噂を耳にした幅広い世代の人が訪れるそう。富山に来たら必ず宿泊してくれるリピーターや、地元の学生も集まる、よりどころ。これまでに延べ2000組が訪れたといいます。

5周年記念パーティーを開催

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寄処で行われた5周年記念パーティーは飲み放題・食べ放題の立ち寄り形式で行われ、東京や名古屋など全国各地から総勢80名ほどが参加。これまでの思い出に浸ったり、新しい出会いを楽しんだりしました。

富山大学の芸術文化学部の学生さんがブースを出店し、作品展示や似顔絵コーナーなどを設けました。夜も、ボードゲームをするなど盛り上がりを見せたそうです。

私はパーティーの序盤だけ参加させていただきましたが、運営スタッフのOBが訪れたり、お花や差し入れを持って現れる人がいたりと、5周年をお祝いするポジティブな空気が流れていました。

「泊まれる図書館寄処」のこれから

最後に、寄処を運営する上で大切にしていることをうかがいました。「あの空間の中で誰も取り残されず、1人ぼっちになる人がいないように意識しています。内輪だけで楽しむのではなく、新しい人も巻き込んでいくことを心がけていて、その意思を運営スタッフにも共有しています」と教えてくださいました。

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今年6月に施設をリニューアルした、泊まれる図書館寄処。これまでよりもさまざまな設備が整い、より快適に過ごせるようになりました。「初めて訪れる人、以前に宿泊したことがある方にも、生まれ変わった寄処に来ていただきたいです」と話す中西さん。また、「観光目的に旅行をしたり観光の拠点として宿に泊まったりする人は多いですが、人との出会いを目的に訪れることのできる宿はあまりないのではないでしょうか」と、人との交流を通じて得られる貴重な体験ができる寄処の価値についても語ってくださいました。

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富山にお住まいの方も、ちょっとした気分転換や新しい刺激を求めて訪れてみてはいかがでしょうか。

SNS担当のちっぴーさんを中心に、公式XInstagramも頻繁に更新されています。リアルな寄処の様子が更新されているので、気になる方はまずは公式SNSをのぞいてみてくださいね。寄処の6周年をお祝いできる日を楽しみにしています。

【詳細】泊まれる図書館寄処(よすが)
住所:930-0088 富山県富山市諏訪川原1丁目11−10

電話(予約):080-7996-0949(年中無休、9:00~22:00受付)

チェックイン:17:00〜21:00(21:00より遅くなる場合は追加料金がかかります)

公式サイト

この記事では、取材ライターの岩井ななが休日に行きたくなる富山市内のショップやイベントをご紹介しています。今後の情報発信もお楽しみに!

取材・インタビューライター(富山市)

富山県黒部市出身の取材ライター・インタビュアー。「ライティングで社会貢献」をミッションとし、地域の魅力を発信しています!Yahoo!ニュースエキスパートでは、休日に家族や友人と行きたくなる楽しいイベントやスポットを見つけて魅力をわかりやすく紹介していきます。どうぞ記事をお楽しみくださいませ。

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