台風11号 上陸へ 関東など東日本も警戒を
台風11号は北上を続け、16日(木)夜~17日(金)に列島へ上陸する可能性が高まっています。西日本を中心に暴風や大雨などに厳重な警戒が必要となりますが、関東など東日本でも警戒を怠れない台風です。
特徴は「ゆっくり」と「強力」
秋台風などは、日本に近づくと急にスピードを上げて駆け抜けることがありますが、今は上空の風が弱い季節です。台風11号は急に速度を上げることはありません。
流れがない中をかき分けるように、比較的ゆっくりと北上。そのぶん、接近時に暴風や大雨が長時間つづくおそれがあります。
また、接近・上陸時も、勢力をあるていど保っていて、西日本を中心に影響が大きくなりそうです。
上陸の可能性高まる
「上陸する」という言葉は、天気予報の中では軽々しく使いません。重く受けとられることが多いので、上陸する確率が高くなって初めて使います。
台風11号は、今の位置と今後の進路を見る限り、九州~四国~本州のいずれかを通ることは避けられず、「上陸へ」と言わざるを得ない状況です。現時点では、西日本に上陸する確率が高くなっています。
ちなみに、「上陸」とは、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸に達した場合を言います。島や小さい半島を横切った場合は「通過」となります。ですから、沖縄はどれだけ多く台風が来ても、「上陸」することはありません。
上陸場所だけに注目するのは危険
台風が上陸することへの注目度は、非常に高いと感じます。
ただ、上陸は台風の「中心」がどこを通るかの話です。つまり、幅が数km~数十kmの点や線の話をしているわけです。
一方、台風の嵐をもたらす渦は、数百km、場合によっては千km以上離れたところにも大雨や強風を起こします。台風の「上陸」や「中心」“だけ”に注目するのは、ナンセンスかつ危険です。
今回は関東など東日本でも、急な激しい雨や高波などに警戒が必要となります。