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ホルモンバランスが乱れるとどうなる?-日常の不調と関わりの深い"7つ"のホルモン

ご覧いただきありがとうございます。

おがちゃん先生です。

今回は「ホルモンバランス」と身体の不調について解説していきます。

今回の目次

  • 【1】ホルモンってなに?
  • 【2】ホルモンバランスが乱れる原因
  • 【3】日常の不調と関わりの深い"7つ"のホルモン
  • 【4】ホルモンバランスを整えるために

【1】ホルモンってなに?

ホルモンとは、身体の中で様々な働きを調節する物質です。

たくさんの種類がありますが、下のようなものが有名です。

  • すい臓から分泌される「インスリン」…血糖値を下げる
  • 脳(下垂体)から分泌される「成長ホルモン」…骨や筋肉の成長を促進するなど
  • 甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」…全身の代謝活発化する
  • 副腎から分泌される「コルチゾール」…免疫や代謝の調節など
  • 卵巣から分泌される「エストロゲン(女性ホルモン)」…女性らしい体をつくるなど

【2】ホルモンバランスが乱れる原因

ホルモンというのは、常に一定の量が分泌されているわけなく、時間・性周期・食事・ストレスなどによって変わります

例えば、成長ホルモンは「睡眠初期」に多く、コルチゾールは「早朝」に多く分泌されます。

上記のような理由から、生活リズムが乱れていると、ホルモンバランスも乱れてしまいます。

また、一般的なホルモンバランスの乱れの原因としては、下のようなことがあげられます。

  • 睡眠不足
  • ストレス
  • 過食(早食い)
  • 極端なダイエット
  • 肥満
  • 過度なカフェインの摂取
  • 加齢(特に更年期)など

【3】日常の不調と関わりの深い"7つ"のホルモン

ホルモンにはたくさんの種類があり、様々な不調と関わりがありますが、今回は日常の不調と関わりの深いホルモンを"7つ"紹介します。

①成長ホルモン(脳:下垂体)

成長ホルモンは、睡眠初期に分泌が促進するのが特徴で、大人になっても大切なホルモンです。

成長ホルモンの分泌が低下すると、太りやすい・筋力低下・低身長(小児)などに繋がることがあります。

成長ホルモンは壊れた筋肉の修復を促進する役割があります。

例えば、筋力トレーニングをした後は、多かれ少なかれ筋繊維の一部が壊れているので、しっかり睡眠をとり、成長ホルモンの分泌を促進することが大切です。

②コルチゾール(副腎)

コルチゾールは、ストレスによって分泌が促進されることから「ストレス応答ホルモン」とも呼ばれています。

生命の維持に重要なホルモンですが、過剰に分泌されると高血圧・免疫力の低下・不安感・不眠などに繋がります。

ホルモンは「50mプールにスプーン1杯垂らせば作用する」くらい"微量"で作用するため、過剰な分泌も良くないです。

③インスリン(すい臓)

インスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンです。

過食を繰り返していると、インスリンの分泌が過剰になり、やがてすい臓が疲弊して、血糖値を下げることができなくなってしまいます

特に日本人は、欧米人に比べてインスリンの分泌能が低いので過食には注意です。

よく噛んで食べたり、食物繊維をしっかり摂ることも血糖値の管理には大切です。

④エストロゲン(主に卵巣)

エストロゲンは、いわゆる「女性ホルモン」であり、女性生殖器や乳房だけではなく、肝臓・血管・皮膚・腎臓など全身に作用します

特に更年期以降では、エストロゲンの分泌が低下して、下のような変化が起こります。

  • LDL(悪玉)コレステロールが増える
  • 骨が弱くなりやすい
  • 皮膚のたるみやしわができやすくなる
  • 尿酸値が高くなる
  • 動脈硬化が進行するなど

更年期以降とLDL(悪玉)コレステロールの関係については下の動画でも解説しております。

⑤レプチン(脂肪細胞)

レプチンは、食欲を抑制するホルモンです。

肥満の状態だと、レプチンの効きが悪くなる(レプチン抵抗性)ため、食べ過ぎに繋がりやすくなってしまいます。

痩せ過ぎは良くないですが、肥満の解消をすることで、レプチンの効きが改善されて、食欲のコントロールが上手になることも期待できます。

⑥カテコールアミン(副腎)

カテコールアミンは、副腎から分泌されるホルモンで、ストレスにより分泌が促進されます。

例えば、ストレスによりカテコールアミンが過剰に分泌されると、多汗・高血圧・高血糖・動悸などに繋がってしまうことがあります。

⑦甲状腺ホルモン(甲状腺)

甲状腺ホルモンは「日常と関わりが深い」というよりも「有名なホルモン」なので、ここで紹介します。

全身の代謝を活発化させる作用があり、多過ぎても、少な過ぎても様々な不調に繋がります。

  • 甲状腺ホルモンが多過ぎると…動悸・食欲亢進・体重減少・イライラ・多汗・暑がり・手指振戦など
  • 甲状腺ホルモンが少な過ぎると…便秘・体重増加・思考力の低下・皮膚の乾燥・寒がり・貧血・疲れやすいなど

他にも貧血に関わる「エリスロポエチン」や、男性ホルモンである「テストステロン」、血圧に関わる「アルドステロン」などたくさんありますが、有名なものは上記の①〜⑦です。

【4】ホルモンバランスを正常に保つために

ホルモンバランスを正常に保つためには、基本的な生活習慣が大切になります。

具体的には下のようなことを意識してみると良いでしょう。

  • ストレス解消…ストレスを溜めて溜めて一気に解放すると不調が起こりやすいので、こまめに入浴・運動など行えるのが理想
  • 適切な睡眠…睡眠不足はもちろん良くないですが、寝過ぎも良くない
  • 適切なバランスの食事…特にホルモンバランスにはタンパク質や良質な脂質が大切(※摂り過ぎには注意)
  • 極端なダイエットはしない
  • なるべく3食規則正しい時間に食事を摂る
  • 禁煙…急な禁煙はストレスになりやすいので、禁煙外来などと協力できることが理想

特に女性の場合、更年期頃にはホルモンバランスが大きく変動しやすいので、上記のような生活習慣を意識すると良いでしょう。

※一般的な生活習慣の乱れとは別に、ホルモンを分泌する器官の異常や、免疫の異常によってホルモンバランスの乱れが起こることがあります。

今回の内容は下の動画でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。

最後までご覧頂きありがとうございました。
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身体の構造や仕組みを分かりやすく解説!/0から学ぶ解剖生理学サロン運営/JSTAS認定整体師/東京リエイチ整体アカデミー非常勤講師/bijou解剖ボディケアスクール講師

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