Yahoo!ニュース

ドジャースのベリンジャーがナ・リーグ新人本塁打記録を更新

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
今シーズン39号本塁打を放ったコディ・ベリンジャー選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ドジャースのコディ・ベリンジャー選手が22日のジャイアンツ戦で今シーズン39号本塁打を放ち、ナ・リーグの新人本塁打記録を塗り替えることに成功した。これまでの記録は1930年のウォーリー・バーガー選手、1956年のフランク・ロビンソン選手が記録していた38本だった。

 1-1の同点で迎えた3回2死1、3塁で登場したベリンジャー選手。相手先発ジェフ・サマージャ投手の外角球を捕らえると、打球は一直線に右翼席に飛び込んでいった。ナ・リーグの歴史に新たな1ページに誕生した瞬間だった。

 有望若手選手ではあったが、シーズン開幕はマイナースタート。ベリンジャー選手本人の今シーズンの目標も、マイナーで活躍し、9月のロースター枠拡大でメジャーに昇格することだった。ところが主力に出たこともあり、開幕直後の4月25日にメジャー初昇格を果たすと、出場5試合目で2本塁打の活躍をみせるなどして難なくメジャーに定着。シーズン前半だけで25本塁打、58打点を記録し、チーム快進撃の立役者の1人となった。

 すでにナ・リーグ新人賞の最有力候補だが、今回の新記録樹立でさらに確実なものにしたようだ。8月に22歳になったベリンジャー選手が狙うのは、21歳以下シーズン(7月1日時点で21歳以下の選手が対象)での40本塁打達成だ。これまで達成したのは1929年のメル・オット選手、1953年のメル・マシューズ選手の2人しかいないという、これまた輝かしい記録といえる。

 ちなみにMLB全体の新人本塁打記録は、1987年にマーク・マグワイア選手が達成した49本。現在ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が46本塁打を放ち、こちらの記録更新を狙っている。この2選手以外で新人選手として40本塁打以上を放っているのは、まだ誰も存在しない。

 こちらでもベリンジャー選手がもうすぐ仲間入りすることになるが、記録達成当時のマグワイア選手は23歳で、ジャッジ選手も現在25歳だということを考えれば、やはりベリンジャー選手の今シーズンの活躍は特筆すべきものがあるだろう。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

菊地慶剛のスポーツメディア・リテラシー

税込550円/月初月無料投稿頻度:月3、4回程度(不定期)

22年間のMLB取材に携わってきたスポーツライターが、今年から本格的に取材開始した日本プロ野球の実情をMLBと比較検討しながらレポートします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

菊地慶剛の最近の記事