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桜咲く600度の法則、東京の桜開花まであと2週間余り?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
東京、千鳥ヶ淵の桜(写真:アフロ)

桜咲く600度の法則

桜開花までの最高気温の積算(筆者作成)
桜開花までの最高気温の積算(筆者作成)

桜咲く600度の法則と呼ばれるものがあります。(ソメイヨシノ)

これは2月1日から毎日の最高気温を足していき、その積算気温が600度になった頃に桜が開花するというもので、桜が比較的気温に正直なために成り立つ法則です。

ただ年により、ばらつきもあり、ほぼぴたり600度程度で開花する年もあれば、これより少ない積算気温、多い積算気温で開花する年もあります。これは桜が寒さを感じて目覚めるのに必要な晩秋から初冬にかけての寒さ(休眠打破)や開花直前の寒さや暖かさなどが影響しているためです。

東京の過去10年の開花を調べてみると、積算気温の少ない年は2013年551度、2018年558度など、550度程度で開花しているのに対し、積算気温の多い年は2016年653度、2019年648度など、650度程度での開花となっており、過去10年の平均は609度です。

このように600度の法則はあくまでも目安なのですが、それでも東京に関していえば、600度を基準に、少なくて550度程度、多くて650度程度の間でほとんど開花を迎えることになります。

ちなみに600度の法則は関東以西でのおおまかな目安となりますが、地点によっては異なり、高知は700度、鹿児島はぶれが大きいものの800度くらいが目安となります。

東京の桜、早ければあと2週間あまりで開花か?

16日間予報の最高気温(ウェザーマップ)
16日間予報の最高気温(ウェザーマップ)

きょう2月28日(火)は、全国的に春本番の暖かな陽気となっており、東京の最高気温は19.4度と、4月中旬並みで、今年一番の暖かさとなりました。

きょう2月が終わった時点での、東京の最高気温の積算は338.8度で、これは2月の平年の最高気温の積算305度より約34度高く、平年より3日程度、桜の開花を早い方に進める積算気温だといえます。

そしてあすから3月ですが、かなりの高温が予想されています。多くの日で15度から20度近くまで上がり、桜の成長が急速に進むでしょう。ちなみに3月前半の最高気温の平年値は大体13度前後です。

予想されている日々の最高気温を足していくと、3月13日には554度に達し、過去10年で最も低い積算気温で開花した値に到達します。その後、3月16日には602度に達し、目安の600度を超える計算です。

ここで東京の桜開花の早い記録は以下の通りです。(日付ベース)

1位3月14日(2021年、2020年)

2位3月16日(2013年、2002年)

3位3月17日(2018年)

4位3月18日(2004年)

2000年以前は3月20日より早く咲くことはまずなかったのですが、2002年に3月16日に開花して以来、近年はかなりの早咲きが目立っています。

今のウェザーマップによる東京の桜の開花予想日は3月17日ですが、目安の600度に到達しない段階での開花となれば、今年も記録的に早い開花があり得るかもしれません。また3月最後の週末、25日(土)26日(日)頃がちょうど満開で一番の見頃の週末となりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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