ソチと日本の雪事情
【ソチはなぜ雪が降らなかった?】
雪が舞台のソチオリンピック、大会前には全く雪が降らず雪不足が心配されていました。
雪が降らなかった大きな要因は2つあります。ソチの場所、そして寒気の流れです。
【ソチの気温は東京並み】
オリンピック開幕前のソチのスキージャンプ会場の気温は16℃、人工降雪機で会場設営をするほど。極寒ロシアといえども2月のソチの最高気温の平均は10℃程度と実は東京の方が少し高いくらい。
【冬でも温暖】
冬のオリンピックで最も南の開催場所となった長野の白馬は北緯37度。
ソチはそれより北ですが黒海沿いで温暖な気候が特徴。ロシアでソチは南に位置し常に雪が降るような場所ではないのです。
【寒気の流れ】
雪不足の大きな要因、もう一つは北極からの寒気の流れです。
寒気は偏西風の沿って蛇行しながら北から流れてきます。例年ですとある程度バランスをとりながら南方向にも流れていくのですが、今年は流れに偏りがありソチ周辺には相対的に暖かい空気が入っていました。
寒気が北で止まってしまうと、南の地域ほど寒気と暖気の差が出やすくなります。
その為もともと温暖なソチが暖まりやすくなっていた状況でした。
【ソチの寒気が日本に?】
本来ならソチの流れ込むくらいの強い寒気が日本付近に押し寄せていたのが今年の冬の特徴です。その為今年の2月は関東で記録的な大雪、北海道では猛吹雪という降り過ぎる天気に。
関東で大雪となった8日(土)、長野白馬八方尾根のスキー場の最高気温は-2度。
しっかりと吹雪いていて、さすが冬のオリンピック会場となったという光景が広がっていました。
関東大雪のこの日は16年前の長野オリンピック大会2日目にあたる日でした。
長野白馬八方尾根のスキー場周辺は当時の看板など名残りがあちらこちらに。モーグルの上村愛子さんの出身地でもある白馬。
オリンピック熱もあってか、本格的な滑りをする人であふれていました。雪の降り方は時々吹雪く感じ。
積雪は断続的に降り270センチ程度。
【札幌と同じ】
ソチの緯度は札幌とほぼ同じ北緯43度。
14日(金)関東で降雪の日、北海道キロロスキー場の山頂の気温はー13度。地元の高校生がスキー授業で訪れていましたが、寒い寒いと震えるほど。雪がなかなか降らなかったソチとは全く違う景色で雪が真横に吹雪く時間帯も。積雪は400センチ以上。
【ほとんどが雪国出身】
ソチオリンピックに出場する選手113人のうち49人が北海道出身なんだとか。全体の4割以上。次いで長野出身は13人。さすが雪国出身選手。長野・北海道のゲレンデともに地元出身の選手ののぼりをいたる所で見かけました。
確かに沖縄出身の私は先日白馬八方尾根オリンピックの聖地でスキーデビューという競技とはほど遠い場所にいますが。
【ソチは恵みの雪ですが】
ソチは今週ようやく積雪50センチを超え、ようやく恵みの雪に。
一方東京都心の降雪は8日に25センチ、14日は27センチに達し45年ぶりの大雪に。
交通機関は麻痺し、被害が拡大しました。北海道では先日暴風雪に警戒するほどの大雪となり寒気のトレンドは日本に。
【雪解けのタイミングに注意】
これだけ積もると、今度は雪が解ける際に雪崩や落雪等に注意が必要です。
そろそろ寒さの出口が見えてきそうです。
来週前半は全国的に晴れて気温が上昇傾向に。
来週は降る雪から解ける雪に注意して下さい。