家を借りる時・買う時に知っておきたい土砂災害の危険性
昨年の広島、一昨年の伊豆大島など、各地で相次ぐ土砂災害。宅地の開発が進み、土砂災害のおそれがある危険な場所は増えています。自分の住んでいる場所、これから住む場所の土砂災害の危険性、知っていますか?
家の土砂災害の危険性が説明されないことも
春の引っ越しシーズンです。利便性や価格などを調べ、借りる家を決める人も多いと思いますが、あわせて「土砂災害の危険性」も調べてみてください。今後、家を買う人にも、お願いしたいことです。
都道府県が調査を行い指定する「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」に宅地が入っている場合は、売買・賃貸契約時に、取引業者が説明をする義務があります。
ただ、全国で約52万か所ある、土砂災害が発生するおそれのある地域(「土砂災害危険箇所」)すべてが、それらの区域に指定されているわけではありません。つまり、土砂災害の危険箇所でも、契約時に説明されない可能性のある所があるわけです。
なお、74人が犠牲となった昨年の広島の土砂災害では、被災地域のほとんどが「土砂災害危険箇所」でした。
自分で調べられる土砂災害の危険箇所
土砂災害危険箇所は、各自治体で確認できるほか、インターネットでも調べられます。
(左枠の「土砂災害危険箇所」のフォルダ内の各項目をチェック)
■各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域(国土交通省)
自分の住んでいる場所、これから住む場所の危険性はどうでしょうか?
もちろん、土砂災害危険箇所となっていない場所でも、斜面や小さな沢が近くにあれば、がけ崩れや土石流が起こるおそれもあるという認識は持っておく必要があります。
土砂災害の危険性を知ったうえで選択を
土砂災害のおそれがある地域に誰も住まなくなれば、被害は大きく減るでしょう。ただ、すぐに、そうはなりません。
しかし、引っ越すタイミングが来た時に、土砂災害の危険性のある地域に住まない選択をする人が増えれば、将来的に社会全体の土砂災害被害のリスクは減っていきます。
また、危険性のある地域に住まざるを得なくなったとしても、知ったうえで、土砂災害への高い意識と備える力を持つ人が増えれば、今より土砂災害の被害は減る可能性があります。
そのためにも、まずは土砂災害の危険性を「調べて」「知る」人が増えることが大事だと思います。