軽自動車がより多用される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率の確認
二人以上世帯の自動車普及率は8割強、軽自動車ならば4割近く
運用コストや利便性の観点で、昨今では普通乗用車より軽自動車が重宝される傾向が強くなっている。その実態を総務省が5年おきに実施している全国消費実態調査から確認していく。
まずは世帯ベースでの種類別自動車普及率。今件では複数種類を所有していれば、それぞれの項目で回答していることになる。例えば軽自動車と乗用車以外(軽、小型、普通乗用車に当てはまらないもの)を同一世帯が所有している場合、双方に回答している。
輸入自動車区分の回答率がほとんどゼロに近く、自動車全体と国産全体がほぼ同じ値を示していることから、輸入自動車はあまり用いられていないことが分かる。また、二人以上世帯・単身世帯どちらにおいても、普通乗用車よりは軽自動車の方が浸透している、特に単身女性では軽自動車の普及率が他車種を圧倒している。
電気自動車は世帯普及率ではまだ1%に満たないが、ハイブリッド車は二人以上世帯ではすでに1割に届く勢い。単身世帯でも男性に限れば5%程度。
世帯種類別では、二人以上世帯の方が自動車の普及率は高い。購入・維持費の面で支え切れるか否か、そして生活の上での必要性の観点で、単身世帯よりも高くなるのは道理である。とはいえ、単身世帯でも男性で6割近く、女性でも1/3が自動車を所有していると回答している。
世帯主の年齢別では
普及率は数台所有していても「ある世帯」としてのみのカウントとなる。そこで一定数の世帯において何台所有されているのかを数えたのが次のグラフ。二人以上世帯に限定し、さらに世帯主の年齢別で区分することにより、年齢別の自動車所有性向が良く見えてくる。
例えば自動車全体の30歳未満は「1111」とあるので、世帯主が30歳未満の二人以上世帯1000世帯分では、1111台の自動車が所有されていることになる。これには自動車非所有世帯も対象となっている。極端な話、該当世帯1000世帯のうち1世帯が1111台を所有し、残りの999世帯が自動車を持っていなくとも、この値となる。
所有台数そのものは50代から60代が多く、30歳未満と70歳以降は少なめ。若年層の自動車離れなる言葉がちまたでよく見聞きされるが、実際に若年層世帯ほど保有台数も少ない。軽自動車はまだ差異がほとんどなく、小型・普通乗用車ではそれなりの差が出ている。
輸入車は国産車と比べて縦軸の桁数がケタ違い(20分の1)。利用されている数もごく少数であることが分かる。
前回調査となる2009年分との比較を行いたいところだが、5年前の調査と直近となる2014年分の調査では、自動車区分において大きな変更が行われたため、単純に比較できる項目が限定されてしまう。そこで比較が容易な自動車全体、そのうち国産の軽自動車、さらに国産のハイブリット自動車について、世代別の所有台数を比較し、その変化を算出したのが次のグラフ。ちなみに2009年の国産ハイブリッドは厳密には電気自動車も加算されており、実際にはもう少し大きな差異が出るはず。
60代以降は自動車の所有台数そのものが増えているが、それ以下の世帯は押し並べて減少。全体としても数は減っている。他方、軽自動車やハイブリッドは大きく数を増やしており、特に若年層の軽自動車の増加、高齢層のハイブリットの増加が目に留まる。昨今の自動車の需要動向ともほぼ一致しており、納得のいく動きには違いない。
また全体が減って、軽やハイブリッドが増えているのだから、当然小型や普通乗用車は大きくその値を減らしていることになる。今後もこの流れは続くことになるだろう。
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