男女で異なる思い…老夫婦の相手への思いの実情をさぐる(2024年公開版)
老夫婦は配偶者のことをどう思っているのか。その実情をソニー生命保険が2024年9月に発表した「シニアの生活意識調査2024」(※)の調査結果報告書から確認する。
次に示すのは調査対象母集団のうち配偶者がいる人に限定し、老後も配偶者と一緒に暮らしたいと思うかを尋ねた結果。調査対象母集団の年齢を考えるとすでに事実上老後の人もいるだろうが、その場合は今後を意味するのだろう。あるいは今現在暮らしたいと思うか否かで答えているのかもしれない。
シニアの大部分は老後も今の配偶者と一緒に暮らしたい、これからの生活を楽しみたいと考えているようだ。
ところが男女別に見ると、違いが生じているのが確認できる。男性は一緒に暮らしたいと思う派(青系統色)が92.5%で、強い肯定を意味する「非常にそう思う」も5割台後半。ところが女性は一緒に暮らしたいと思う派は77.1%で、「非常にそう思う」も4割に届かない。
回答者が現在配偶者がいる人限定であることを考えると、「女性は男性よりも長生きするので、配偶者に先立たれていては一緒に暮らしたいと思うことすらかなわない」との理由はなさそうだ。となると、女性のシニアは男性よりも、配偶者に対して思い入れが冷ややかなものなのかもしれない。
その仮説を裏付ける形となる結果が出ているのが、次の設問。生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと思うかとのことだが、男性は7割強が肯定派なのに対し、女性は5割強にとどまっている。表現の仕方を変えれば、生まれ変わっても今の相手(配偶者)と結婚したいと考えているシニアの女性は半分近くでしかない。
「非常にそう思う」も男性は33.7%だが女性は17.7%と2割にも届かない。強い否定を意味する「まったくそう思わない」も男性は7.0%と1割にすら達しないのに、女性は20.1%と2割強。
実情としてはケースバイケース、それぞれの夫婦の関係や思惑次第となるのだが、男性にとっては寂しい話に違いない。
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※シニアの生活意識調査2024
同調査は2024年8月2~3日にかけてインターネット経由で50~79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層別では50代が2・60代が1・70代が1の割り当て。男女別は1対1。調査協力会社はネットエイジア。
調査結果からは回答者全員がスマートフォンを利用していることが確認でき、多分にスマートフォン利用者を調査対象母集団としていることがうかがえる。そのため、社会全体の実情とはいわゆるデジタルデバイドによる差が生じていることに加え、実際の人口構成比とは異なることに注意が必要。
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