旅行にテレビにグルメに映画…シニアの今の楽しみ実情(2024年公開版)
消費動向や生活様式の観点で注目されているシニア世代(今件では50~79歳を対象とする)。その人達は今、何を楽しみにしているのだろうか。ソニー生命保険が2024年9月に発表した「シニアの生活意識調査2024」(※)の調査結果報告書から確認する。
次に示すのは回答者が現在楽しみとしていることを複数回答で答えてもらったもの。
トップには旅行がついた。45.3%の人が「今の楽しみは旅行」と考えている。シニアにとっては、普段とは異なる場所に足を運んで非日常的な体験、今までにない体験をすることに大きな喜びを覚えるのだろう。
次いで高い回答値を示したのはテレビ/ドラマで39.2%。旅行とは異なり、テレビ放送受信機があればいつでもテレビやドラマを堪能できる。有料放送でなければほぼ無料で観られるのもポイントだろうか。似たような項目としては第4位に映画が入っている。一方で映像を楽しむとの観点では同じ経験ができるはずの、インターネットによる動画観賞が上位に入っていないのを見ると(今件はインターネット調査であるにもかかわらず)、シニアはインターネットで何かを楽しむのには積極的ではないように見える。
第3位にグルメ、第5位に読書、そしてスポーツ、音楽/楽器と続くが、対人関係の項目となる子供/孫は第9位、パートナーはグラフ外の第11位にとどまっている。
これを回答者の男女別で区分し直すと次の通りとなる。男女それぞれの特性が現れているようで興味深い。
複数回答であることを考慮すると、男性よりも女性の方が楽しみにしている項目が多いように見受けられる。上位陣で男性の方が値が上なのは映画、読書、スポーツのみ。旅行やガーデニング・家庭菜園、そして読書は男女でほとんど変わりがない人気ぶりだが、他の項目は少なからぬ差が出ている。特に映画とスポーツは男性が、テレビ/ドラマ、子供/孫は女性が突出しているのがうかがえる。
男性ではスポーツは女性の2倍近くの値を示しているが、一方で健康は女性より男性の方が下であることを考えると、項目中のスポーツは健康維持のため自分で行うものではなく、観賞対象の意味合いが強いのかもしれない。また対人関係の項目において、子供/孫は女性の方が値は上だが、パートナーは男性の方が上で(グラフ化は略。男性19.8%・女性11.6%)、それぞれ大きな差が出ていることに、複雑な心境の男性諸氏も少なくあるまい。
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※シニアの生活意識調査2024
同調査は2024年8月2~3日にかけてインターネット経由で50~79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層別では50代が2・60代が1・70代が1の割り当て。男女別は1対1。調査協力会社はネットエイジア。
調査結果からは回答者全員がスマートフォンを利用していることが確認でき、多分にスマートフォン利用者を調査対象母集団としていることがうかがえる。そのため、社会全体の実情とはいわゆるデジタルデバイドによる差が生じていることに加え、実際の人口構成比とは異なることに注意が必要。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。