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「史上最大の下剋上」に貢献した元千葉ロッテ・金泰均 38歳での現役引退を決断

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者
引退を決意した元千葉ロッテのキム・テギュン(写真:ハンファイーグルス)

ハンファイーグルスは21日、キム・テギュン内野手(金泰均、38)の現役引退を発表した。

キム・テギュンは2001年に天安北一高(現・北一高)からドラフト1次指名でハンファ入りし、同年新人王を獲得。08年には本塁打王のタイトルを獲得した。

09年に韓国代表として出場したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではチームの4番として活躍。東京ドームで松坂大輔から放った特大アーチを含む、3本塁打11打点という大会トップの成績を残して、韓国の準優勝躍進の立役者となった。

翌10年にはFA権を行使して千葉ロッテ入り。21本塁打(チーム1位)、92打点(同2位)を残して、「史上最大の下剋上」と言われたレギュラーシーズン3位からの日本一に貢献した。

12年に韓国に帰国し古巣復帰すると、打率3割6分3厘で首位打者を獲得。17年には前年シーズンから86試合続けて出塁し、1949年にテッド・ウィリアムズ(元レッドソックス)が残したメジャー記録84試合を上回ったことで話題となった。

大柄な体格からパワーヒッターと見られるが、常に「自分はホームラン打者じゃない」と話し、広いスタンス、左足のつま先を切り返してタイミングを取る、独特のノーステップ打法で出塁を意識し、勝負強い打撃を見せた。

3年前のシーズン中には右太もも裏の治療のため来日し、横浜に滞在。その間も感覚を失いたくないと、通訳が探した同市内にある一般のバッティングセンター(中山バッティングセンター)に通うなど、ひたむきに野球に取り組んだ。

(関連記事:“史上最大の下克上”から7年――元ロッテ・金泰均の今 スポーツナビ 2017年6月28日)

今季は67試合に出場。打率2割1分9厘、2本塁打、29打点で8月15日以降、1軍出場はなかった。

通算成績は2014試合に出場し、打率3割2分(歴代5位)、2209安打(3位)、311本塁打(11位)、1358打点(3位)を残している。

キム・テギュンが所属したハンファは99年の初優勝以来優勝経験がなく、今季も最下位の10位。キム・テギュンはチームが頂点に立つ日を待たず、ユニフォームを脱ぐことを決めた。

⇒ リーグ順位表(ストライク・ゾーン)

キム・テギュンは「チームの未来を引っ張るいい若手たちが成長している。彼らに機会を与えるため、チームの未来を考えた時に、自分が引退をしなければならない時期だと考えた」と球団を通してコメントした。

チームの功労者であるキム・テギュンに対して球団は、来季の団長(日本におけるGM)補佐アドバイザーを任命。新型コロナウイルス感染拡大の影響により今季中は引退試合を行わず、来シーズンに予定するとしている。

(関連記事:地獄の18連敗から脱出 ワースト記録は免れるも苦境のハンファに日本のOBたちも心配

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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