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【富田林市】日本一の名店で腕を振るっていたそば職人、故郷で持ち帰り生そば店を開業。甲田の「うら田」へ

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

甲田地区の取材で歩きまわっていた時に、気になる看板を発見!住宅地の真ん中に、なんと手打ちそば屋さんがありました。すぐに地図検索してもまだ出てこないお店。

さて、どんなおそばを売っていらっしゃるのでしょうか?さっそく取材をお願いしました。

伝統建築の立ち並ぶ町並みといえば寺内町が有名ですが、その南西側に徒歩5分、東高野街道沿いの甲田地区にも、伝統建築の家屋が今も軒を連ねています。

「手打ちそば うら田」さんは、富田林中学校・富田林高校の前を通って、東高野街道の細い道に入って少し行ったところにありました。

看板だけでなく、石組みの上のコンクリ壁にわかりやすいPOPが張られているので、すぐにここが「手打ちそば うら田」さんとわかりました。ここで手打ちされた生そばを、毎週土曜日・日曜日のみ、販売されているんだそうです。

「手打ちそば うら田」さんの店主、浦田昴希さん。高校卒業時、大学工学部への進学が決まっていたものの、運命的な出会いを経て進路変更。銀座並木通りの超高級割烹での見習い修業から和食職人の道に入ったそうです。

当初から、故郷である富田林で店を持つことを目標としていた浦田さん。この土地で商売をするとしたら専門店でなくてはと、修業4年目、そば職人になるため京都の手打ちそば店、よしむらグループさんの門をたたきました。

手打ちそば店としては日本一の売り上げを誇るというよしむらグループさん。嵐山の店は1日の来客数が700名、そのためそば職人さんが40名も在籍しているというすごさ。そこで仕事をするからにはトップになろうとがんばり、店長まで上り詰めたそうです。

そしてよしむらグループさんで7年間の修行を終え、今年1月に帰郷。3月28日に満を持して開店したのが、この「手打ちそば うら田」さんなのだそうです。

自宅の倉庫を改装し、そば打ち場と販売コーナーを設置。そばを打つ様子が見られるようにと、そば打ち台の真横にガラス窓をはめ込まれています。

販売日には、ここで朝6時くらいからそばを打っているとのこと。私は、ラッキーなことに、追加分を打つ様子を見学することができました。

これから二八そばを作ります。すでにこね鉢には、粉が入れられていました。「手打ちそば うら田」さんでは、栃木県鹿沼産のそば粉を使っていらっしゃるそうです。

まず水まわしという作業から入ります。こね鉢に入れている粉に水を加え、かき混ぜます。少しずつ水を足しながら、そば粉がかたまりになるまで、かき混ぜていきます。かたまりができたら、今度は練り作業。

腰を入れながらかたまりを押し伸ばし、力強く練っていきます。そばの味を左右する大事な水は、河南町にある法華寺に湧いている天然水を使用しています。

この水にほれ込み、浦田さんの出身校、富田林第二中学で教師をされていたという同寺の庄司真人住職にお願いして、580年前から湧いているという水を使わせていただくことが決まったそうです。

練りの作業が終わり、とても美しい円盤状の塊ができました。この円盤状の塊を上から手で抑えていき、1センチ程度の厚さの丸い形へとしていきます。

次は、伸ばしの作業です。まずは黒の丸棒を使ってどんどん大きく伸ばしていきます。

白い棒に生地の端の部分を巻きつけ、黒の棒でさらに伸ばしていくという作業。鮮やかに、力強く作業が続いていきます。

いよいよそば切りが始まりました。リズミカルに切り、そして秤で量目を測りながら、1人前ずつ紙に包んでいきます。

今回は同時に動画を撮りました。こちらでは、そばを打つ豪快な音がはっきりと聞こえています。約7分30分程度に編集しましたので、ぜひご覧ください。

2人前ずつ包装されました。十割そば(1人前500円、1パック1000円)と二八そば(1人前300円、1パック600円)の2種類です。

パッケージの中に、茹で方が書かれた紙が入っていました。家で茹でる場合の注意点ですが、鍋に入れる前にそばをきちんとほぐしておくことが大事です。こうすると、ダマにならずにまんべんなくきれいに茹でることができます。

持ち帰ったそばを、さっそく茹でてみました。少し短く切れてしまったのは、鍋をかき混ぜすぎたためかもしれません。

十割そばはそばの香りがとても強く、二八そばはそれを少しマイルドにした感じでした。浦田さんのおすすめは、塩で食べること。その方が、より強くそばの香りや味を楽しめるかもしれません。

せっかくですから、汁そばも作りました。豚スペアリブから取ったスープを甘辛い味付けにしましたが、汁の味の濃さに負けない力強いそばの味が印象的でした。

「手打ちそば うらた」さんの生そばは、甲田の店以外でも買うことができます。ちはやあかさか道の駅で毎週土曜日日曜日、かなん道の駅が毎週木~日曜日の販売。

また月に1度、金剛のわっくCafeさんでランチのイートインもされているとか。次回は10月25日月曜日だそうです。

手打ちそば うら田
住所:大阪府富田林市甲田1-16-29 
電話番号:070-4811-4744(電話予約)
定休日:月~金(土日のみ営業)
アクセス:近鉄富田林西口駅から徒歩8分
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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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