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リーグワン1部・第16節私的ベストフィフティーン【ラグビーのサブスク】

向風見也ラグビーライター
(写真:つのだよしお/アフロ)

 リーグワン1部・第16節は4月21、22、23日にありました。結果は下記。

 ブレイブルーパス 22―34 ワイルドナイツ 

 スピアーズ 39―24 サンゴリアス

 ダイナボアーズ 21―31 ブラックラムズ

 ライナーズ 26―43 グリーンロケッツ

 ブルーレヴズ 27―37 ヴェルブリッツ

 スティーラーズ 26―52 イーグルス

 

 レギュラーシーズン最終週。最後までプレーオフ行きをかけて争っていたのは、5位だったブレイブルーパスと4位だったイーグルスでした。

 

 最終節で勝ち点を得られなければ自動的にプレーオフ行きが消滅する立場だったのが、ブレイブルーパス。昨季王者のワイルドナイツに挑みましたが、及びませんでした。

 ワイルドナイツは、前節でブルーレヴズの渾身のスクラム、ブレイクダウン、ボール運びに気圧され2018年12月以来の公式戦黒星を喫していました。

 この日はボールを持たぬ選手の動き、自慢の防御の質が通常のクオリティに戻り、陣地も首尾よく支配します。

 果たしてブレイブルーパスは徐々に反則を犯し、前半で19点ビハインドを背負います。ハーフタイム明けこそワイルドナイツのエラーもありブレイブルーパスが加点しましたが、混戦模様を呈しましたが、最後は突き放しました。

 これで試合前にプレーオフ行きが決まったイーグルスは、スティーラーズに完勝。当事者たちが不完全燃焼だったと振り返る前半のうちから、フィジカリティと勤勉性の領域では優位に立っていました。

 すでにプレーオフ行きを決めた者同士となったスピアーズとサンゴリアスの一戦は、スピアーズに軍配が上がりました。

 スピアーズは序盤から接点での強さ、重さを活かしながら、終盤は2人の数的不利を強いられるなかでも加点。もっともサンゴリアスとて、キックを用いながらの試合運びで序盤を僅差で耐え、終盤以降に走り勝つプランを体現しかけていました。

 もう一度戦う際のスコアを誰にも保証させない、という意味で、いずれも価値ある時間を過ごしました。両軍は14日のプレーオフ準決勝で再戦します。

 順位が懸かった試合では他に、ライナーズとグリーンロケッツとの一戦があります。

 最下位争いとなったこのゲームの勝ち点次第で、第14節まで未勝利だったライナーズが11位に浮上する可能性がありました。

 10位以下の入替戦進出チームは、最終順位によって2部のどのチームと対戦するかが決まるだけに、できるだけ上位でゴールテープを切りたいのが自然です。

 結局、グリーンロケッツが11位のまま戦い終えました。スクラムで苦しみながら、どの陣地からでも防御網の切れ目を切り裂くことができました。

 残る4チームは、純粋にファンを含めた自分たちの大義のためだけに戦いました。

 ブルーレヴズはワイルドナイツを破った時のようにスクラムを圧倒し、カウンターアタックも冴えましたが、要所でチャンスを逃してその直後に失点する流れで惜敗しました。

 相次ぐジャイアントキリングで序盤戦を沸かせたダイナボアーズは、黒星でフィニッシュ。地力で際立つようになったブラックラムズに試合中盤まで好機を量産され、一時は粘りながらも振り切られました。

 本稿では前節に引き続き、際立った選手によるベストフィフティーンをご紹介します。内訳は以下の通りです。

 

 ワイルドナイツ 4名

 ブルーレヴズ 3名

 スピアーズ 2名

 イーグルス 2名

 ブラックラムズ 1名

 グリーンロケッツ 1名

 ブレイブルーパス 1名

 サンゴリアス 1名

 特に際立つ選手は「週間MVP」として無料閲覧エリアでご紹介します。

<週間MVP>

長田智希(ワイルドナイツ/先発、フル出場)

 インサイドセンターに入った。ラインアウトからの攻撃ではファーストレシーバーとしてゲインラインを切ったり、相手の反則を誘ったりした。

 12点リードで迎えた前半39分。自陣中盤左でターンオーバーしたワイルドナイツは一気に右へ展開。フルバックの野口竜司らがそちらへ大きく回り込むなか、もともとその区画に立っていた長田はパスをもらうや目の前のスペースを切り裂く。

 パスダミーで防御をひとり、抜き、左に走り込んできた野口に球をつなぎ、最後はスクラムハーフの内田啓介のフィニッシュに喜んだ。

 19―3とリードして迎えた後半5分頃には、敵陣中盤で味方が蹴った球を追いかけカウンターラックを仕掛ける。ターンオーバー。上述の山沢のエリアゲームへ移り、その後の攻めでも推進力を示す。

 22―8としていた同23分頃には、自陣10メートル線付近右中間で、抜け出しつつある味方をサポート。球を持ち快走し、カバーに回ってきた防御役を引き寄せながら大外へパス。だめ押しのトライを演出した。

 防御でもタックル、ジャッカルで相手のミスを誘った。

<第16節私的ベストフィフティーン>

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ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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