ロシア軍の"めったに見られない"偵察ドローン「ZALA 421-16Е2」携帯式防空ミサイルで撃破
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。
ロシア軍はロシア製の「KUB-BLA」で攻撃を行っており、ロシア製の監視・偵察用ドローン「Orlan-10」で主に監視を行っている。今回、ウクライナ軍が銃撃したロシアのZalaグループが開発した監視・偵察ドローン「ZALA 421-16Е2」がSNSで公開されていた。
ロシア軍は主に「Orlan-10」で監視・偵察をしていることからSNSでも「めったに見ることができないZALA 421-16Е2」と投稿されていた。また写真から見てこの監視ドローンはMANPADS(携帯式防空ミサイルシステム:man-portable air-defense systems)で銃撃されたのだろうという推察も記されていた。
ウクライナ軍はウクライナ国民を鼓舞することとロシア軍への攻撃を世界にアピールするためにロシア軍の兵器などを破壊した写真や動画をSNSに多く投稿している。その中でもロシア軍の監視・偵察ドローン「Orlan-10」が破壊された写真は多く投稿されているが、たしかに「ZALA 421-16Е2」がウクライナ軍に破壊された投稿はほとんど見たことがなかった。
ウクライナ紛争では両軍によって多くの攻撃ドローンや監視・偵察ドローンが使われている。また攻撃用の軍事ドローンだけでなく、ドローン迎撃用のシステムもウクライナ軍には提供されている。
アメリカはFlex Forceの「Dronebuster」とIXIの「Dronekiller」というドローン迎撃システムをウクライナ軍に提供。両方とも電磁波による妨害で上空のドローンの機能を停止させて、地上に落下させてしまうため、攻撃や監視・偵察が行えなくなる。またリトアニアからもリトアニアで開発されたドローン迎撃システム「EDM4S」が提供されている。このドローン迎撃銃は電磁波による妨害で上空のドローンの機能を停止させて、地上に落下させる。
▼ロシア軍が監視・偵察に使用しているZALA 421-16Е2
上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル(soft kill)"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破させる、いわゆる"ハードキル(hard kill)"がある。今回のロシア軍の監視ドローンはMANPADS(携帯式防空ミサイルシステム)で撃破されたのでハードキルの方だ。
ウクライナ紛争ではウクライナ軍がトルコの軍事ドローンでロシア軍を攻撃して侵攻を阻止していることが多く報じられているが、ロシア軍も攻撃ドローンでウクライナを攻撃したり、ドローンによる監視・偵察を行っている。またウクライナ軍のドローンをロシア軍も迎撃している。どのようなタイプのドローンであれ上空で機能を停止させることによって迎撃して、ウクライナを防衛することが重要になっている。
特に"ソフトキル"タイプのドローン迎撃システムは監視・偵察用の小型ドローンを上空で機能停止させるのに適している。監視・偵察用の小型ドローンは開発コストも安く民生品をいくらでも利用できるので、上空で機能停止されても次から次に飛んでくる。監視・偵察ドローンや攻撃ドローンも上空で撃破されてしまうために何台でもドローンは必要である。そして次から次へとドローンが供給されるのでドローン迎撃銃やドローン迎撃システムも何台でも必要である。ウクライナ政府は世界中に武器の提供を呼びかけている。