『来年のホーム最終戦は満員の埼スタで迎えたい』浦和vs福岡【浦和レッズ川柳試合レビュー】
■ホーム最終戦でもテーマ不足
とにかく寒い。風がやたらと冷たい。昨日は季節外れの暖かさだったのに、夏の翌日が冬。
日本に秋はなくなったな、としみじみ思う。
今季ホーム最終戦。混雑を予想して早めに家を出て、試合開始1時間半くらい前には到着。しかし、思ったほど自転車置き場に停まっていなかった。先日のヴィッセル神戸戦と比べてもだいぶ少ない。最低でも4万人はカタい、と予想していたのが自信なくなって来た。
来てるお客さん見ても、「最終戦だから」ではなく、土曜の午後で来やすいから、みたいなファミリー層が目立った。何より子供たちが多い。
結果的に3万5千人足らずか。リーグ戦の「千秋楽」というか「大晦日」というか、そういう「区切りの日」みたいな感覚はあまりなくなっているのかもしれない。
試合開始までの間、私も席に座って、スマホで、1時間前には始まっていたdaznの「ヴィッセルvsグランパス」をずっと見ていた。
daznの 向こうは当然 超満員
■緊張感が足りない試合展開に・・・
先発メンバーは、二列目に大久保、中島、小泉、うしろにも関根、明本といった、ちょこまか動きそうな「機動力」ラインで揃えて来たのがよくわかる陣容。パスに、ドリブルにと目まぐるしくボールを回してくれたら楽しいな、と期待する。前半は、私のいる南側ゴールを攻める側だし。
その戦法がさっそくハマったかと思わせたのが、PKをとったシーンだった。パス回しの末に、明本がゴール前に迫ろうとしてるところを、明らかに足を引っかけられて倒された。一度はスルーされかけたのが、「PK確認」ののちに判定がひっくり返ってのPK獲得。その審議中、オーロラビジョンにその瞬間のビデオをなかなか流さなかったので、「また観客は置き去りかよ」と腹立ててたら、ちょっと遅れてちゃんと流した。やっぱり、はっきり足ひっかけてた。
確認を 一緒にしたいよ 観客も
ところが、1点取って安心したわけでもないだろうが、それからのレッズ側の動きが、妙に鈍り出した。スピードが持ち味なはずなのに、アビスパの選手に置いてかれたり、うまく間を通すスルーパス決められたりして、あんまり「機動力」ラインじゃなくなっていったのだ。そうなると見る方のモチベーションも落ちてきて、つい折々にdaznの「ヴィッセルvsグランパス」を見てしまう。アビスパに1点目を決められた時も、思わずそっちを見てしまっていて、見逃してしまった。
見逃して ヴィッセル優勝 見届ける
こりゃいかん、と後半は目の前の試合に集中するも、どうもレッズ側は相変わらずピリッとしない。アビスパの2点目、いったんはオフサイドと判定されたのが「ゴール確認中」に変わり、結局はゴールが認められてしまったわけだが、これとて、「点取られて当然」みたいな心境にさせられる。3点目も西川のパスを受けた柴戸が、あっさり相手にボールとられて決められる凡ミス。しまらないというか、チーム全体が寝ぼけてんじゃねぇの、と心配になるくらいに、おかしい。最終戦をキレイにおさめようとする緊張感が見えない。シャルクが1点返したものの、北風は寒いままだった。
点取っても 寒い北風 吹きやまず
どうしたもんかね。試合後のせっかくのスコルジャ監督の惜別の挨拶も、気候の寒さと、今日の試合の寒さとで、どうも感動より先に悪寒が走るのが残念ではあった。
ただ、あの人が有能な監督だったっていうのは、サッカー素人の私でも少しは分かる。
「この流れは変えなきゃだめだ」と判断したら、すぐさま三枚替えするような果断さが目立つし、それで救われた試合がいくつもあった。
来年、どうすんだろ。出来れば、最終戦は4万人以上は集まるチームであってほしいな。
優勝争いで、6万人結集とかが理想ではあるが。
最終戦 この次せめて 4万人
日が暮れかかった帰路は、真冬じゃないかと錯覚するくらい寒かった。
動画:パン屋さんと良き穂とフライデー。浦和レッズ川柳2023【10月編】
山中伊知郎
1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後30年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。2021年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。現在、去年一年の記事をまとめた単行本『浦和レッズ川柳2022』(飯塚書店)が好評発売中。
代表を務める「ビンボーひとり出版社」山中企画では、8月、テレビの夢グループCMで、石田社長の横で「社長~! 安くしてエ~!」の甘え声でお馴染の歌手・保科有里の『愛人!? 困っちゃう・・・』という本を出し、11月には『タブレット純の日本芸能イジン伝・その① おひとりさま芸能人 エド山口に訊く!』を出す。