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【札幌市中央区&東区】アリオの新空中歩廊を通って思い出す、かつて2つの区を繋いでいた橋。

ゆべーる地域クリエイター(札幌市)

3/10に全線?開通した苗穂駅とアリオを結ぶ「空中歩廊」を初めて通ってみました。(本当は開通日に先陣を切って通りたかったのですが、春は本州の桜シーズンガイドには稼ぎ時。私も2/26に札幌を出て2ヶ月ずっと本州で仕事でした。) 前にも書きましたが、元々ほとんど出来ていたのに、何らかの事情でアリオの前で一旦階段を降りなくてはならなかった、あの歩廊です。

人が増えてる!

さて。この空中歩廊に行こうとして、まず気付いた事。自宅のある中央区側の苗穂駅南口からエスカレーターを登って上がっていくと、苗穂駅自由通路を行き交う人が増えています!

空中歩廊を使ってアリオに向かう歩行者だけではなく、あきらかにこの自由通路から鉄道写真を撮ろうという、いわゆる撮り鉄さんも増えています!

通行者を妨げなければ個人的には撮り鉄さん、乗り鉄さん、線路オタクは、北海道の成り立ちそのものである開拓使以来の産業の軌跡を愛する方々なので大歓迎です。炭鉄港ガイドとしての私の究極の目標は、北海道の莫大でユニークな鉄道や港湾、炭鉱遺産を世界にアピールして、世界中の好事家が集まってくることにありますから、嬉しくないはずがない。
真面目に言いますが、北海道は元々人が住むには寒い笑 呆れるほど豊かな食糧資源と石炭など鉱業とそれをつなぐ鉄道があったからみんなが入植したわけですから、産業がなくなり単に住むだけの場所になるなら、たちまち人は少なくなるかもしれない。だから北海道の活性化のためには、栄光ある鉄道を大切にしたいですね。


どうやら、空中歩廊の開通は、連結する苗穂駅自由通路の賑やかさも生み出したようです。

苗穂駅からアリオへ向かう。

さて、話を本題に戻しましょう。

苗穂駅自由通路を抜けて、この空中歩廊に入っても苗穂駅自由通路同様に人が多い。やはり新しい流れができたと実感します!

開通前はどことなく無機質だったこの空間も、「アリオまで後何m」というディスプレイが親切に掲示されていたりして、なんだかほっこり。

健康に役立つかも!

このディスプレイを見た瞬間、ハッと気づきました。苗穂駅からアリオまで歩いてそのまま2階か3階のアリオ内の回廊をぐるぐる回って帰って来ると、雨の日や冬場のエクササイズになるんじゃなかろうか!と。

2023年2月掲載の記事より
2023年2月掲載の記事より

先日アリオ3階の周回エクササイズコースについて、記事として取り上げましたが、ここに空中歩廊と苗穂駅自由通路も付け加えると、快適に屋内ウォーキングできるコースが延長しそうです。

そして、いよいよアリオに入る。

やがて通路はアリオの敷地に入ります。カートを置いておくことができるスペースがあり、わずかな段差もスロープがあるので気になりません。

トイザらスの中を通りレジを迂回して、アリオの吹き抜けスペースにでます。

「苗穂駅はこちら」という案内もあり、とても親切

トイザらスも明らかに人は増えたし、苗穂駅もアリオも便利になった。何も悪いことはない。なぜ、今更ですが、アリオ手前までの通路を作っておきながらゲートをクローズしていたのか?謎です。。。

空中歩廊開通のメリットを検証。

この空中歩廊オープンのメリットについては、中央区側と東区側で少し違うようです。

中央区側

私のような中央区側な人間、苗穂駅南口サイドの人間にとっては、アリオまでストレスなく買い物に行ける事がとても大きな意味があります。というわけでショッピングのメリットですね。階段の上がり下がりがなくなっただけ、かなり便利になりました。

東区側

東区側、つまり苗穂駅北口サイドの方にとっては、圧倒的に苗穂駅を使いやすくなったのではないでしょうか?昔の苗穂駅は、東区側に出口がないのが問題でした。東区側の敷地には鉄道工場が広がっているので物理的に無理だったのです。

そのため新しい橋上駅タイプの苗穂駅を作ったのですが、いざ北口を設けてもそれは利用しやすいものではなかった。それが空中歩廊ができた事により、アリオのパーキングを巨大なカープールのように使える事ができるようになり、ショッピングをして駅に至る便利な道を手に入れた。つまりアリオが苗穂駅北口の巨大な延長になった、という意味があると思います。

かつて、鉄道による分断は中央区側と東区側の苗穂の分断を引き起こし、長い間かけてそれぞれの道を歩んできたので、今回の連結によりそれがどう化学変化を起こすか、見守って行きたいと思います。

ところで、あの歩道橋を覚えているか?

2017年撮影
2017年撮影

2018年苗穂駅ができるまでここに存在していた、一本の歩道橋をご存知ですか?

ちょうど現在の苗穂駅自由通路のあたり、厳密にはその西隣にありました。

JR関係の施設が住宅に転換し人口が増えてどんどん南北の連携が必要になり、この連絡橋では足りなくなり、より大きな連絡のために苗穂駅そのものが変わったのでしょうね。

そして、この事実も見逃すな!

さて、もうひとつ大切な事として、札幌駅からサッポロビール園、ビール博物館へのアクセスが良くなったことです。

つまり札幌駅から苗穂までJRに乗り、自由通路と空中歩廊を使ってアリオを横断しここまで歩いて行けるようになったのです。これは特に都市バスを苦手とするインバウンド観光客には朗報!どれに乗ればいいの?と札幌駅北口バス乗り場で悩まなくてもすむようになりました。是非これを機会に、行きやすくなったビール園や博物館のアピールを、札幌駅や関係サイトにも掲示してもらいたいものです!

という事で、かつて一本の連絡橋のあった場所に駅が出来て、アリオも今回で完全に苗穂駅と繋がり、考え方によっては札幌駅とビール園のリンクも良くなり、どんどん人の流れが変わって行く事を見る事ができるのは幸せです!

この空中歩廊だけではなく、新しい道路や苗穂地区の変遷のあれこれは、これからも地元民としてフォローしていきます!

■苗穂駅■

住所:札幌市中央区北3条東11丁目

JR北海道の公式サイトは、こちら

■アリオ札幌■

住所:札幌市東区北7条東9丁目

公式サイトは、こちら

参考:札幌市の資料「苗穂駅周辺地区のまちづくり」

地域クリエイター(札幌市)

通訳案内士(全国&札幌)、そしてライターや日本遺産炭鉄港、日本遺産候補小樽、サッポロコンシェルジュのガイドとして、いつも札幌市内の出来事やおすすめ情報を探しに歩いてます。最近、少し鉄気味。交通ネタや都市インフラに興味が行きつつあります。サイダー(シードル)大好き。ホルン(フランス式ピストン)とテナーホーン吹き。

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