Yahoo!ニュース

この冬こそ、ダイエットが必要な理由

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

【過去の記事】コチラ

【著書】コチラ

■肥満が止まらない

「最近、太った」と思うことはないだろうか。

私は、アラフィフになり、急に体が重く感じるようになった。

20代の頃は、部長たちが健康診断の結果をみながら、「また太っちゃったよ~」「まあ、仕方ないよな」といわゆるおじさんトークをしているのを聞いて、「絶対に、あんなオッサンには、なるまい」と心に決めていた。

しかし、今では、私もすっかり仲間入りだ。

カップラーメンを食べても「健康診断オールA」の若手の社員を見ると、悔しさすら忘れ「君たちも、いずれわかるさ」と悟りを開いたブッダのような顔になっている自分がいる。時の流れのなんと恐ろしいことか。

■コロナ禍で、肥満がまん延

厚生労働省のメタボリックシンドロームに関する最新の統計を見ると、肥満の該当者・予備軍はここ5年でさらに増加。

男性についてはBMI25以上の割合が男性で33%、女性で23.3%に増加。日本人の約3人に1人が該当する結果に。そういえば、男女問わず、中肉中背の人たちが増えた気がする。『ゆでガエル現象』とは、コロナ禍のメタボサラリーマンのために使う言葉なのではないかと、ふと思う。

さらに、新型コロナウィルスのまん延によりこの傾向は加速した。

外出の自粛、自宅で過ごす時間が長くなっていることから、身体活動量の減少。間食の増加、食べ過ぎ、偏食、飲酒が重なった。タニタの調査によると全世代でコロナ禍で体重が増えたと回答したのは33.7%にのぼり増加体重の平均は3.4kgとなった。1リットルの牛乳パック3本分の脂肪を搭載したということだ。冷静になると、嫌な汗が流れてくる。

■新型コロナによる死亡者の90%は、肥満率の高い国

体重が増加すると何がよくないのだろうか。

一帳羅のオーダーメイドのスーツが入らなくなる。これも確かに問題だ。

しかし、コロナ禍での肥満はさらに深刻だ。それは、新型コロナウイルスでの死亡率が高くなるからだ。

世界肥満連盟(WOF)は米国のジョンズ・ホプキンス大学のデータとWHOのデータを分析しレポートを発表。そこでは、成人の肥満率が50%以上の国は、そうでない国と比較して、10倍のリスクがあるとしている。

実際、新型コロナウィルスの感染による死亡率を見ると肥満率68%の米国では、10万人あたり152人肥満率18.3%と肥満率の低いベトナムではコロナによる死亡率は世界で最も低く10万人あたりで0.04人の死亡となった。高齢化率や所得水準とは、関係ないとみられるという。

さらに、嫌なニュースが飛び込んできた。『日本、5週連続で感染世界最多 WHO集計、死者は2番目』。

世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルス感染症の集計で、11月28日~12月4日の週間感染者数が、日本は前週比7%増の74万9895人で、5週連続で世界最多となった。同期間の死者数は、前週比33%減の1744人だった米国が最多。日本は同6%増の1063人で2番目に多くなっている。肥満率と比例しているということか。

■3ステップ

コロナ禍で家族も、同僚も、部下も、上司も、皆太った。

仕方ないよね、と自分を納得させがちだ。しかし、新型コロナウイルスと共存していく中、死亡率があがるとなると、もう「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とは言ってられない事態だ。

では、体重を減らす=生存率を上げるには、何をすればよいのだろうか。

ここで間違ってほしくないのは、食事を極端に減らすダイエットだ。これは、ただ、栄養不足になるだけで、免疫力も落ちてしまう。本末転倒だ。

では、どうすればよいのか。私は、企業、行政、大学などさまざまなシーンで健康マネジメントの講義をしてきたが、その中でも今回は、「始めやすく、無理なく痩せられる」3箇条に絞って紹介する。

1)体重計に毎日乗る

毎朝、体重計に乗ろう。これだけで、痩せることがわかっている。

体重の現時点を、把握せず(見て見ぬふりのほうが正確か?)日常を送ると 太るライフスタイルを、そのまま継続することになる。しかし、体重計に乗ると、これはマズイ。というアンテナが立つことになる。

すると、これがきっかけになり、食事の内容や、運動量が「少しずつ」変わり始める。この「小さな変化」が掛け算となって、ダイエットは加速する。体重計に乗るタイミングはいつでもいいわけではない。体重が一定となる、朝だ。一日のスタートに、体重計に乗ることで、あなたの体重は変わり始める。明日の朝から始めよう。

2)「あっさり、さっぱり」を選択する

次に、食事だ。

食事を選ぶときに、「あっさり、さっぱり」をキーワードにしよう。 すると、自然と「こってり、濃厚」な料理を食べる回数が減る。

味が濃いものは、食欲を過度に刺激するために結果として、カロリーだけでなく、炭水化物(糖質)の過剰摂取にもつながるのだ。ファミリーレストランに行ったら、ハンバーグ・チーズ定食ではなく、焼き魚定食へ。パスタ屋さんに行ったら、カルボナーラではなく、ペペロンチーノを選ぶ。といった具合だ。

食の選択肢が変わると、体重に確実に変化が訪れる。1日3回の選択が変わるため、インパクトがでかいのだ。

3)夕食後ウォーキングをする

最後におすすめしたいのが、夕食後のウォーキングだ。

ウォーキングを習慣にすると、有酸素運動効果が発動し、糖や脂肪を燃焼させ下りのエスカレーターに乗るかのように、スムーズに痩せ始める。

食後のウォーキングは、食べたばかりの食事のカロリーを直接消費する効果がある。血液中の糖質を脂肪として蓄える前に、筋肉で消費してしまうからだ。夕食後ウォーキングは、ゴロゴロTVをみたり、スマホをいじったりするよりも、何倍も気持ちが良いことに気づく。私の場合は、ウォーキングの際に、オーディオブックで小説を聞くこと楽しみにしている。すると10分どころか、20分、30分はあっという間だ。

継続するに連れて、全身にたまっていた脂肪が筋肉に置き換わっていく。筋肉量が多いと、免疫力が高くなり、寿命が長くなる。私は10年間、介護・医療の仕事についていた。ここで何百人という高齢者に会ったが、筋肉が少ない高齢者はあっという間に寝たきりになり、感染症で命を落としていった。筋肉は、あなたを守ってくれる守護神なのだ。

■まとめ

今年の冬は、新型コロナウイルスやインフルエンザのダブルパンチだ。新型コロナウイルスの死亡率は肥満率と比例することがわかっている。日本も肥満率が増加傾向にある。だからこそ、命を守るためにも、ダイエットを始めよう。

 1)毎朝、体重計に乗る

 2)「あっさり、さっぱり」を選ぶ

 3)夕食後のウォーキング

私達ビジネスパーソンが仕事を通じて、社会に貢献していくためには今までの経験・ビジネススキルをフルに発揮させることが必要不可欠だ。そのためには、ベストな健康状態が土台となる。

新型コロナウイルスは、今までのようにエナジードリンクを飲んで乗り切れる相手ではない。今こそ、本質的な生活習慣へのテコ入れに取り掛かろう。

【参考文献】

Steinberg DM et al., J Acad Nutr Diet. 2015 Apr;115(4):511-8. PMID:

健康マネジメントスクール

水野雅浩

【過去の記事】コチラ

【著書】コチラ

■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩
https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

水野雅浩/健康マネジメントの最近の記事