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福山雅治、千原ジュニア、田中裕二……。一回り以上年下の女性との「幸せな結婚」を考える

大宮冬洋フリーライター

芸能人の結婚ラッシュが続いている。福山雅治、千原ジュニアなどの「独身の大物」に続き、先日は爆笑問題・田中裕二が山口もえとの「再婚同士婚」を果たした。千原のお相手は一般女性だというので三者三様とも言えるが、誰の目にも明らかな共通点がある。一回り以上年下の女性を選んでいることだ。

筆者は、35歳以上で結婚した「晩婚さん」を取材したり、アラフォー男女を引き合わせる「お見合いおじさん」活動を細々と行っている。30代後半から40代(中には50代も)男性の本音を聞くと、「33歳ぐらいまでの女性と出会いたい。若すぎるのも困るけど、希望を言えば28歳が最高」という答えが返ってくるのが現実だ。しかし、筆者自身の離婚・再婚経験も含めて振り返ると、未熟な男性ほど「同級生女房」もしくは「姉さん女房」をもらうほうが良いと感じている。

社会人になれば実年齢などは関係ない、重要なのは精神年齢と相性とルックスだ、という反論があるかもしれないが、問題となるのは「大きすぎる年齢差」なのだ。一回り以上も年下の女性が相手だと「経験豊かで頼りがいのある大人の男性」として見上げられ、こちらとしては「若くてかわいい女性。年齢の割にはしっかりしている」という上から目線になりがちである。この「上下関係」がそのまま恋愛感情に結びついて結婚に至る。

危険だ。危険すぎる。なぜなら、実際に共同生活を始めると立場が少しずつ逆転していくからだ。マルチタスクにもコミュニケーションにも優れた妻に圧倒される一方で、働き盛りの絶頂期を見せつけて結婚した夫は化けの皮が剥がれてしまう。

福山、千原のように仕事能力が卓越していたり、田中のように山口の連れ子を受け入れるという「貸し」があれば一点突破も可能だろう。そうでなければ「加齢とともに妻からの目線が冷たくなる」という結婚生活になりかねない。孤独な老後になりそうだ。

上記3人のように年下妻からの尊敬を得続ける自信があればいい。無理ならば、結婚後に「男の可愛げ」や「居心地良さ」をアピールするという方向転換を図らねばならない。神経質で威圧的で非協力的な態度はもってのほかである。明朗さを基調にして、感謝の気持ちを口にし、家事にも精を出す。これしかない。ただし、「12歳も年上のあなたに可愛げなんて求めていない。常に私を守ってリードしてほしい」と言われたらどうしようもない。

こんなことをグダグダと書いても、日本人男性の年下女性好きは変わらないだろう。筆者も男性なので、輝くばかりの若さを放つ女性に恋心を抱く気持ちはよくわかる。だが、結婚相手を選ぶ際には「ちょっと待て。落ち着け。イマジン!」と言いたい。

何を想像するのか。家庭生活の様子である。着飾ったデートなどでは女性の本性はわからない。最も参考になるのは、相手の両親の関係性だろう。彼女の母親が彼女の30年後の姿だと思って大筋は間違いない。その傍らにいる父親が自分だ。彼らのような夫婦関係になりたいのか。実現は可能なのか。恋心とは別に、冷静に計算しなければならない。結婚は家族を巻き込むものだからだ。

一回りも年下の女性と結婚する男性は、こんな想像や計算をする必要がないほど自信と勢いがあるのだろう。だからこそ魅力的で、モテるのだと思う。しかし、その勢いが長く続くという保証はどこにもない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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