【アイスホッケー】新生・横浜GRITS(グリッツ)始動!!
「氷上の格闘技!」
こんな異名をとるほどの激しさと、スケートを履いた選手たちが、バスケットやサッカーとは”桁違いのスピード”を披露して、目まぐるしく攻守が入れ替わるスリリングな展開が魅力の「アイスホッケー」。
北米の「NHL」や、ロシアを中心としたヨーロッパの「KHL」などをはじめとする各国のトップリーグでは、スター選手たちのプレーを見ようとスタンドは観客で埋まり、冬季オリンピックでは、必ず「男子アイスホッケー決勝」が最後の金メダルを争う種目になっているほどです。
▼日本のトップチームは減少へ・・・
日本でも1980年代の後半頃までは、代々木第一体育館(東京都)のスタンドが、いっぱいになる試合が多く見られました。しかし、年々観戦するスポーツが多様化する中で、アイスホッケー人気に陰りが見え始め、観客数は減少。
その一方で、古くから続いた「実業団スポーツ」という体制の継続も時代にそぐわなくなりました。
古河電工こそクラブチームへ移行し、栃木日光アイスバックスの名で、現在も参戦しているものの、2001年に廃部となった雪印を継承した札幌ポラリスが脱退し、1974年秋から続いた6チーム体制が、「5チーム」へ。
さらに翌年には名選手を数多く輩出した西武鉄道が、(事実上)コクドに吸収され、国内のトップチームは「4チーム」だけになってしまいました。
その後、コクドから名称を変えたSEIBUプリンスラビッツが解散し、入れ替わる形で東北フリーブレイズが誕生。
日本と同様にトップチームの解散が相次いだ韓国と手を組んで、2003年11月から「アジアリーグ」を発足し、国際リーグへと舵を切り(初年度のみ国内リーグも開催)、今季も日本、韓国、ロシア(極東地区)の3か国がステージとなりました。
▼画期的なボーダーレスリーグも・・・
国内の他のスポーツに先駆けて、通年に及ぶ国際リーグをメインステージにした画期的なボーダーレスリーグも、残念ながら起爆剤とはならず、日本でアイスホッケーの報道を目にするのは、「スマイルジャパン」の愛称で親しまれている女子代表だけと言っても過言ではありません・・・。
▼横浜に新チームが誕生!
そんな日本の男子アイスホッケー界に、久しぶりに明るい話題が届きました!
それは、、、
「横浜GRITS(グリッツ)」の誕生です!!
「やり抜く力」という意味を持つ「GRITS」をチーム名に選び、フィギュアスケートの大会も行われるKOSE(コーセー)新横浜スケートセンターをホームアリーナにして、来季からのアジアリーグ参戦へ名乗りを上げた新チームです。
▼コンセプトは「デュアルキャリア」
グリッツがチームのコンセプトとして掲げているのが「デュアルキャリア」!
端的に言えば、ホッケーをやるだけでなく仕事もする!!
一例を挙げると、海外生活も長く英語も堪能なことから、就任したばかりのカナダ人ヘッドコーチの通訳を務めていた角舘信恒(かくだて しげのぶ)は、スポーツチームを対象にサプリメントのコンサルタントをするなど、どの選手も、ホッケーと仕事の”二足のわらじ”を履きながらプレーをするのです。
▼指揮官は元NHLプレーヤー
そんなチームを率いていくのが、マイク・ケネディ ヘッドコーチ(HC・47歳)
現役時代は、NHLでもプレーしたキャリアを誇る指揮官は、前日に来日したばかりにもかかわらず、常に声を出して精力的。
あえて日本の、しかも新しいチームのHCに就く決意をした理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「チャレンジするのが好きなんだ」
▼アジアリーグ参戦は確実な模様
既に来季からの新規参戦のための手続きを進めているグリッツは、来月にテストマッチを2試合予定しています。
この試合がアジアリーグ参戦可否の審査材料となる模様ですが、武相高校(神奈川県)出身で、アイスバックス在籍時には負傷した福藤豊に代わって、ファイナルでゴールを守った経験を持つ小野航平や、東北フリーブレイズでもチーム創設一期生としてプレーした菊池秀治(しゅうじ)ら、新チームながら実績のある選手も在籍していることから、アジアリーグへの新規参戦は確実との見方が有力な模様。
筆者の知人は首都圏をホームとするチームがなくなってしまい、「すっかりアイスホッケーを見なくなってしまった」と話していましたが、アクセスも良く、食事やショッピングも楽しめる新横浜にホームチームができれば、新しいファンはもちろん、足が遠のいてしまっていたファンの人たちも、再び観戦に訪れるキッカケになりそうなだけに、横浜グリッツへの期待が高まります!