金総書記が尹大統領を扱き下ろす! 妹も韓国の軍事パレードを茶化す!
韓国もそうだが、北朝鮮も本当に単純だ。忍耐力がないのか、相手の挑発に直ぐに乗ってしまう習性がある。
北朝鮮が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の8月15日の「光復節」演説の時と同様に10月1日の韓国の「国軍の日」の軍事パレードを無視すると思いきや、黙っていられなかったのか、噛みついてきた。それも、初めて金正恩(キム・ジョンウン)総書記と妹の金与正党副部長が揃って尹錫悦政権を叩いていた。
北朝鮮は尹政権を批判する際には普段「ごろつき執権勢力」という表現を使うが、金総書記は10月2日に西部地区の人民軍特殊作戦部隊の訓練基地を視察した際に「尹錫悦傀儡が記念辞なるもので終始、反朝鮮の執念から脱せられず、我が共和国に対する被害意識から発した長たらしい対応意志で一貫した演説文を読み下したが、これは傀儡が抱えている安保不安と焦燥感を現したものである」と、珍しく尹錫悦大統領を名指して批判していた。
金総書記の発言も、妹の発言も今朝の党機関紙「労働新聞」に掲載されているので北朝鮮の人民は金兄妹の発言を通じて韓国で軍事パレードが行われたこと、米戦略爆撃機「B―1b」や韓国軍が誇る8tの弾頭を装着する弾道ミサイル「玄武―5」が登場したこと、尹大統領が「金政権の終焉」を口にしていたことなどを知らされることになった。結果として、金総書記は尹政権のPR役を担ってしまった。
金総書記がいくら、「政権の終焉だのといった虚勢を張り、好戦的空威張りを濾過なしにさらけ出している」と言ったり、「尹錫悦は核を保有している国家の門前で軍事力の圧倒的対応を口にしたが、何か出来損ないではないかという疑惑を抱かざるを得ない」と強弁しても、北朝鮮の人民は果たして金総書記の発言を額面通り受け入れるのだろうか。
それでも特殊部隊の訓練を視察した際に「一朝有事の際、任務が付与されれば一撃の下に敵の心臓部を占領せよ」と、金総書記が檄を飛ばしたところを見ると、いざとなったら、尹大統領が真っ先に斬首の対象となるので「覚悟せよ」と言いたかったようだ。
妹の金与正党副部長も前日(3日)に「国軍の日」記念行事を非難する談話を出していたが、いつものように口汚く、辛辣だった。例えば、こんな具合だ。
「野良犬の群れが小川を渡ったように何の痕跡も、余韻もない虚しい茶番劇にすぎなかった」
「韓国の軍統帥権者と手下、かいらい陸・海・空軍が丁重に立ち並んで敬意を表する姿は、世界の閲兵史にまたとない、一人で見るには惜しい、ただ植民地韓国でのみ演出できる名場面と言えよう」
また、「玄武―5」についても「デモ行進用、あるいは心慰め用としては適当であるかも知れないが、軍事用としては世界が疑問を抱かざるを得ない」とか、「8トンの弾頭を飛ばそうと図体だけを膨らませた奇形にしか見えない」とか、「必要以上に図体だけが肥大している兵器を誇らしげに持ち出して、誰それの政権の終焉をうんぬんすることはできなかったのではないか。恥を知るべきである」とメッタ切りにしていた。
さらに「戦略司令部」の創設についても「戦略兵器をたった一つも保有できなかった群れが『戦略司令部』なるものをつくり上げたことは、脱毛病にかかった犬がかぶとをかぶったこと同様である。いくら犬がかぶとをかぶったとしても、トラやライオンに変身できないのではないか」と扱き下ろしていた。
その上で最後に「我々の国家元首は、万一という前提条件を付けたが、大韓民国が韓米同盟に対する過信に陥って反朝鮮軍事的対決を企図しようとするならば、手中の全ての攻撃力を躊躇することなく使用する立場を再宣明した」と述べ、これまたいつものように韓国を威嚇することも忘れなかった。
(参考資料:韓国国軍の日に北朝鮮が「戦略的対抗措置」を予告!「米本土の安全に重大な憂慮感を増す新たな方式」とは?)