小中学生のこづかい額を探る
子供の発育に連れて、子供同士の付き合いや成長する自己欲求の充足のため、こづかいをねだられる場面が増えてくる。そこで親としてもこづかいを渡すようになるが、渡し方は大きく分けると2通り。
子供が何かを欲しがった時に逐次費用を渡す場合と、一定期間ごとに定額を手渡し、その中でやりくりをさせる定額制の場合。ある程度物事に対する分別がつかないと、無駄使いをするのがオチなので、幼い時には逐次求められた時に買い与え、ある程度成長してから定額制に移行する事例が多い。
ソニー生命保険が2013年8月に発表した、小中学生の子供を有する男女に対して行った調査結果によれば、小学生の子供には57.8%、中学生には85.2%が定額制でこづかいを渡しており、その平均額はそれぞれ1256円・2770円だった(以後すべて月額であることに注意)。
こづかいを定額で受け取っていない中学生は約15%。意外に多い感はある。
これを子供の学年別に、もう少し細かい区分で仕切ったのが次のグラフだが、子供が成長するに連れて定額制の導入率が高まり、中学生になるとその額も一段と増加していくのが把握できる。
小学生の定額こづかい額は、低学年から高学年に渡り大きな違いは無い。一方、定額制を適用される割合は成長と共に増え、低学年では1/3強だったのが、高学年では3/4ほどまでになる。自己欲求が育ち、金銭に関する感覚もある程度修得したと保護者から判断される子供が増えていくわけだ(あるいは実地訓練をさせる意味合いもあるのかもしれない)。
中学生になるとこづかい定額制を受ける子供は8割強でほぼ固定化される。額面は中学2年生で1000円近く伸び、3000円強で一定化する。特に中学3年生では塾の行き帰りでの「付き合い」を考えると、まだ足りないかもしれない。
また、調査対象母集団による誤差の可能性についてだが、類似案件を調査した金融広報中央委員会の「知るぽると」の昨年(2012年)の調査結果公開データでは、小学生が1000円前後、中学生が約2600円という値が出ており、今調査結果とほぼ一致する。誤差はほぼ無いと見て良いだろう。
なお設問には携帯電話(スマートフォン含む)の利用費用を、このこづかいから負担するか否かに関する言及は無いものの、利用実態や別項目の要件から推測するに、ほとんどの場合は保護者支払であると考えて良い。この「携帯電話料金の肩代わり額」については、機会を改めて紹介・解説することにしよう。
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